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大谷翔平やダルビッシュら超豪華メンバーと「たくさん話したい」冷静な佐々木朗希もWBC選出にギラギラ「2023年は全部、狙っていく」
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/01/13 11:00
毎年恒例となっている「今年の漢字」では“冠”としたためた佐々木朗希。勝負の1年となる2023年は“タイトル”にこだわっていく
WBC――佐々木の記憶に残っている思い出は、2009年の第2回大会だという。まだ本格的には野球を始めていない小学校1年生の時。野球チームに入っていた3学年上の兄と一緒にボールを投げはじめたころだ。
学校が終わり、自宅に戻るとテレビがついていた。日本と韓国の決勝戦。手に汗握る展開の試合終盤、「ただいま」と居間に顔を出すと家族はその映像を見入っていた。
日本1点リードで迎えた9回に同点に追いつかれ、延長に突入。そして10回表2死二、三塁、伝説のシーンが生まれる。それまで不調だったイチローが中前に勝ち越しタイムリー。その裏のマウンドに立ったダルビッシュ有が最後のアウトを奪うとガッツポーズを見せた。テレビを見ていた家族もみんなで喜んだ。その光景は鮮明に覚えている。だからメディアからWBCの覚えているシーンを聞かれると必ずあの決勝戦を挙げる。
「野球に対する憧れやイチローさんをはじめ選手の皆さんがカッコよく見えた」
偶然に目にした光景は脳裏に焼き付いており、今でも目を輝かせながら話す。
テレビ越しに見ていたダルビッシュもいる
人生とは本当に不思議なものだ。
月日は流れ、あの時の小学1年生は21歳になった。1月6日に栗山監督の口から一部メンバーが発表され、佐々木は大谷翔平といった錚々たるメンバーの中に佐々木は名を連ねた。そして、テレビ越しに見ていたダルビッシュの名前もあった。
「すごい選手が集まる。レベルの高い大会になる。そして現役のメジャーリーガーの方々と一緒に野球をする機会はとても貴重なことだと思うので、色々なことを見たいですし、話もさせていただいてたくさんのことを吸収してその中で頑張れたらと思う。すごい経験になる」
普段はあまり感情の起伏をコメントには出さない若者もWBCの話題をメディアから振られると興奮気味に話をする。言葉の節々からも高揚感が伝わってくる。