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「こんなに気の優しい子がプロ野球でやれるのか」あの宗佑磨が日本一オリックスにいる“奇跡”…小学生とはっちゃける“オフの姿”にグッときた話
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2023/01/07 11:05
母校・横浜隼人でOB会主催の野球教室に参加したオリックス宗佑磨。高校時代を知る記者が驚いた理由とは
「初めて日本一になり、今年のオフは周りの人から『おめでとう』『来年も優勝してね』って言われる回数が劇的に増えました。感動をあたえようとか思ってやっているわけではないけど、見て(感動を)思ってくれたら、それだけで僕はうれしいですね、はい」
本人が語る「チャンスに強い」理由
昨年は守備についた全127試合で三塁手を任され、2年連続のパ・リーグベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得。9月19日に京セラドーム大阪で行われた福岡ソフトバンクホークス戦では延長10回2死満塁から二遊間を抜けるサヨナラタイムリーヒットを放った。3連勝でゲーム差0としリーグ優勝へ勢いづく一打を放ち「2022スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞年間大賞」も受賞。思えば宗は、2021年もリーグ優勝がかかったロッテとの最終カード第1戦で起死回生の右越え同点2ランを放つなど、大事な試合を決めるインパクトを定期的に見せてきた。チャンスに強いメンタルは今季も健在だった。
「打席でいつも『追い込まれている』とか『打てなかったらどうしよう』って思っていないからです。こっちのチャンスはむこうのピンチ。打ったらヒーロー、打てなくても死ぬわけじゃない。そういう考えで、冷静になれている中、たまたま打てたのだと思っています」
本人的には「もうちょっと打って打率を3割に乗せてから(打撃のことは)言いたい」らしいが、守備の貢献度、宗のここ一番での勝負強さがなければ、オリックス26年ぶりの日本一はなかっただろう。いつも控えめだからこそ、たまにお立ち台でこぼす涙も、見ているファンをグッとさせるのだ。
同級生「宗は僕らの希望なんです」
先日は大阪御堂筋・優勝パレードでオープンカーに乗った宗がファンからの話しかけに一つひとつ答えている動画を見た。普通のプロ野球選手は、Vパレード中にファンと会話なんて楽しまないのだが……。