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往路優勝、駒大・大八木弘明監督が秘めていた“エース田澤外し”という覚悟 青学大とは2分3秒差も「2分ぐらいだと差はないのと同じ」
posted2023/01/02 21:42
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
駒澤大の選手たちの笑顔が弾けていた。
山川拓馬(1年)がトップでゴールし、歓喜の輪ができた後、選手たちは待機場所に戻ってきた。
“最後の箱根”で結実した田澤に頼らないチーム
田澤廉(4年)は、コロナに罹った影響で体調はもうひとつ。2区では、いつものらしさは見えず、「いや、もうキツかったです」と苦笑いの連続だった。
だが、4区のラストでトップに立ち、往路優勝の立役者になった鈴木芽吹(3年)が戻ってくると田澤は立ち上がって笑顔を見せた。
「おれは全然ダメだったけど、芽吹のおかげで勝てた。助かったよ」
そういって鈴木の肩を抱き、笑みを見せた。
田澤に頼らないチーム作りを目指したが、それが最後の箱根で結実した。それを田澤は一番喜んでいたが、大八木弘明監督は勝因についてこう語った。
区間賞の選手に遜色ないレースをずっとしてくれた
「今日の往路優勝の勝因は、選手たちが最後まで粘ったことでしょうね。抜きつ抜かれつのレースになりましたけども、最終的には中継地のところでほとんど1位とタイムが変わらなかったですから。区間賞はひとつも取れなかったですけど、区間賞の選手に遜色ないレースをずっとしてくれたので、そこが大きかったです」
まさに粘りの駒澤だった。
1区の円健介(4年)は、スローペースの中、慌てず、18キロ過ぎにスパートした富田峻平(明大4年)についていき、タイム差9秒にまとめた。