田原成貴の今村聖奈＆横山武史評とは？

　では、今年デビューし、12月19日終了時点で重賞1勝を含む50勝をマークしている今村聖奈騎手はどう評価しているのか。

「今、減量が非常に効いていて、それを勝利に結びつけていますね。仕掛けが早いんだけど、頭がいいから、それでも保つことがわかっているんだろうね。もちろん女性騎手のなかでは上手いのかもしれないし、鞍はまりもいいけど、まだ坂井瑠星君や横山武史君のそれと比べるレベルではないかな。決して突出したところはないけど、減量がずっとつづくのは大きい。若手が活躍したときはいつもそうだけど、ちょっとメディアがお祭り騒ぎをしすぎかな、とは思います」

　名前が出た横山武史騎手について、こう加えた。

「ポジションを取るため、掛かることを恐れずに出していくなど、積極的な姿勢はとてもいいと思います。あれでもっと早く折り合いをつけられるようになったらさらにいい。そのうち、お父さんみたいに“ポツン”もやるようになるかもね。おれも、グレートタイタンとかで、よくやっていたんだけどさ（笑）。考えてみたら、ノリちゃんのお父さんの横山富雄さんも、たまに“ポツン”をやっていた。血筋なのかなぁ」

　軽妙な語り口でジョークを織りまぜながら、こうした深い騎乗論で視聴者を頷かせる、田原氏によるYouTube動画を楽しみにしているファンは多い。とりわけ毎週金曜日の展開予想に関しては、「GIの前には必ずチェックする」という向きも少なくないだろう。

「展開予想は、例えば天才と言われる豊君や、理論派と言われる祐一君とおれが同時にやって、50パターンを提示しろと言われたら、100パーセント一緒になると思うんですよ。30通りに絞っても、たぶんほぼ一緒かな。それが10通りとなると、8通りぐらいしか一緒じゃなくなる。さらに進めて、5通り、3通りと絞り込んでいくと、たまに一緒になるくらいで、まったく違ってくることもあると思う。こんな具合だから、最終的にどれを出すかでいつも悩んでいます（笑）。そのうえで勝ち馬を予想するとなるとさらに難しくなるんだけど、今の競馬は鉄火場のものじゃなくてエンターテインメントなんだから、当たっても外れても、楽しくないとダメ。そのためには、やっぱり自分も本気で面白がってやらなきゃいけない。騎手時代の田原成貴を知っている人にも知らない人にも、一緒に楽しんでもらえると嬉しいですね」

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「表に立つのは申し訳ない…」“競馬界から消えた天才”田原成貴が評論家として再起するまで「暗い部分があるからこそ、楽しく伝えたい」

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