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「一番の強敵の後ろで…」ミュージアムマイル有馬記念制覇のウラにC・デムーロの“巧みな戦略”「年度代表馬の行方は?」大本命はやはり“あの馬”か

posted2025/12/29 18:17

 
「一番の強敵の後ろで…」ミュージアムマイル有馬記念制覇のウラにC・デムーロの“巧みな戦略”「年度代表馬の行方は?」大本命はやはり“あの馬”か<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

ミュージアムマイルを有馬記念優勝に導き、馬上で感極まるC・デムーロ。シャフリヤールでハナ差の2着に敗れた昨年の雪辱を果たした

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Keiji Ishikawa

 やはり今年の3歳馬は強かった。

 年末のグランプリレース、第70回有馬記念(12月28日、中山芝2500m、3歳以上GI)が16頭で争われ、クリスチャン・デムーロが騎乗する3番人気のミュージアムマイル(牡3歳、父リオンディーズ、栗東・高柳大輔厩舎)が優勝。皐月賞につづく今年のGI2勝目をマークした。

 ファン投票1位で、単勝でも1番人気だったレガレイラは4着。牝馬による初の有馬記念連覇はならなかった。

「ずっとダノンデサイルの後ろで…」名手の戦略

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 最後の直線の入口で、12番人気のコスモキュランダが内のメイショウタバルをかわして先頭に立った。

 その外からタスティエーラが迫り、さらに外から2番人気のダノンデサイルが猛然と追い込んでくる。

 ラスト200mを切った。コスモキュランダが2馬身ほど抜け出した。やや脚色が鈍ったタスティエーラをダノンデサイルがかわし、コスモキュランダとの差を詰める。

 しかし、次の瞬間、外のミュージアムマイルが凄まじい末脚を繰り出し、内の馬たちをまとめてかわしてゴールを駆け抜けた。

 7度目の挑戦で有馬記念初勝利を挙げたデムーロは、鞭を持った右手を力強く突き上げた。

「ダノンデサイルが一番の強敵だと思っていたので、道中はずっとその後ろで競馬をしました。4コーナーを回ったときにダノンデサイルをかわせる手応えだった。ただ、コスモキュランダとは離れていたので、かわせるかな、と。(シャフリヤールで2着だった)去年のリベンジができて嬉しいです」

 勝ちタイムは2分31秒5。

 半馬身差の2着は、序盤から先行していたコスモキュランダ、そこから首差の3着がダノンデサイル。レガレイラはさらに半馬身遅れた4着だった。

「ライバルの力を封じた」ファインプレーとは?

 ミュージアムマイルの勝因としてまず挙げられるのは、状態のよさと成長力だ。高柳調教師はこう話した。

【次ページ】 12番人気で激走…横山武史がイメージした“ある名馬”

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