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「なにをしても調子が戻らない」→先発再転向で7勝4敗、石田健大29歳が“復活”できた理由「“メンタルは安定している”と言われていたが…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2022/12/19 11:01
コロナで約2カ月の離脱があったものの、7勝4敗、防御率2.95という成績を残した石田。今季について本人に話を聞いた
コロナ隔離中に何を考えていたか?
ただ今季、ひとつ悔やまれることは4月に新型コロナの陽性判定を受け、約2カ月間、戦列を離れてしまったことだ。この結果、今季はトータルで82回1/3しか投げられず、当然もの足りなさを感じた。
「開幕から調子がよくて(隔離中は)何の症状も出ず動ける状態だったので歯がゆさは強かったですね。あのころは誰がコロナに罹ってもおかしくはない時期でしたし、とにかくやれることをやろうと前向きに捉えていました」
ファームでは仕切り直しの先発調整になったが、石田は悔しさを抱えたものの、あの時期に得たものもあったと語る。
「ファームではとにかく走り込みをしたんです。貯金じゃないですけど、しっかりと足腰を鍛えて、スタミナを作ろうって。だからこそシーズン終盤、元気な状態で投げることができたと思いますね」
うちも絶対にヤクルトのようにできるはず
まだ優勝の可能性が残っていた9月、チームは連戦につぐ連戦で疲労困憊だったが、石田は4試合に先発し3勝1敗、防御率0.76と気を吐いた。
「今後に繋がるピッチングができたと思いますし、来季はこれを1年間通してやっていきたいと思います」
石田は冷静に、自信を漂わせながらそう語った。
今シーズン、DeNAは2019年以来のリーグ2位となったが、首位ヤクルトとの実力差はまだかなりあるように感じられた。プロ8年目、選手会長も務め、あらゆる角度でチームを見てきた石田は、ヤクルトとの違いをどのように見ているのだろうか。