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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
なぜ堂安律の優勝宣言に苦言を? 誰よりも日本を知る男・ミキッチが熱弁「例えばクロアチアがブラジルに…」「モリヤスは続投すべき」
posted2022/12/08 17:01
text by
長束恭行Yasuyuki Nagatsuka
photograph by
Yasuyuki Nagatsuka
堂安律の優勝宣言に苦言を呈したワケ
――あらためて、今大会の日本の戦いぶりをどう評価していますか?
優勝経験のあるドイツとスペインに勝った。前大会のW杯準優勝国のクロアチアには公式記録上で負けていない。最後にPK戦で負けただけ。それは予想をはるかに上回る成功だ! 今のチームはとても若いので、4年後のW杯で彼らが爆発することを本当に期待している。PK戦での敗北と同じく不運に挙げられるのは、板倉滉が累積警告でクロアチア戦を欠場したことだね。
――結局のところ、両チームの差はなんだったのですか?
私はビッグトーナメントでの経験の差だと思う。クロアチアは長い年月にわたって激しい試合を戦い続けてきた。W杯、EURO、ネーションズリーグ……。高いレベルでプレーすることで大きな経験を培ってきた選手グループだ。
――大会前から堂安律が優勝を狙うと公言していましたが、クロアチア公共放送であなたは苦言を呈していましたよね。
私は「野心的すぎる」と言った。自分をしっかりと信じ、自尊心を持っているスポーツ選手はとても好きだし、評価もしている。しかし、ある状況においては現実的になること、そして謙虚な姿勢が必要。つまり、一段ずつ階段を登っていくんだ。サッカー選手の誰もがW杯優勝を夢見ていることを私も知っているよ。しかし、W杯の舞台にはフランス、ブラジル、クロアチア、イングランドなどの強豪国がいる。彼らは手強い相手なんだ。
例えば、今の私は「準々決勝でクロアチアがブラジルに勝てる」なんてとても口にできない。ブラジルの試合を見たけど、あれは恐ろしいチームだ。想像を絶するほど強力だ。今のクロアチアがブラジルに勝つのは非現実的とさえ言える。ブラジルに勝てるとしたらサプライズが起きた時だけ。つまり、運に恵まれなくてはならないし、想像以上のエネルギー、あっと驚くような戦術がなければならない。そして、事実上ノーミスでプレーしなければならない。それらが起こらない限りはクロアチアに希望は持てない。