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〈韓国と対戦、次戦は日本?〉W杯本命ブラジルが「野戦病院危機」 三都主アレサンドロも「えらいことになったね。チッチ監督も…」
posted2022/12/05 17:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
大会前、多くの人が優勝候補の筆頭に挙げたブラジルが、グループステージ(GS)を辛うじて首位で勝ち上がった。
最初の2試合をいずれも勝ち切ったところまではよかったが、過密日程を考慮してターンオーバーを敢行した最終節で後半アディショナルタイムに失点し、まさかの敗戦。最終節でセルビアを下したスイスに勝ち点で並ばれたが、得失点差で1だけ上回った。
〇(1)11月24日(日本時間では25日):2-0セルビア(得点者=リシャルリソン2)
〇(2)11月28日(29日):1-0スイス(カゼミーロ)
×(3)12月2日(3日):0-1カメルーン
ラウンド16=12月5日(6日):対韓国
リシャルリソンの超絶弾はあったがネイマールらがケガ
ここまでの3試合の内容を振り返ってみよう。
セルビア戦はベストメンバーで臨み、CFリシャルリソン(トッテナム)の2得点で快勝した。
2点目は、左ウイングのビニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)の右足アウトサイドを使ったクロスをDF3人に囲まれた状態で受けると、左足で頭上へ跳ね上げ、体を回転させて右足のジャンプボレーで叩き込んだスーパーゴールだった。
ただし、この試合でエースのネイマール(パリ・サンジェルマン)と右サイドバックのダニーロ(ユベントス)が足首を故障。2人はその後のGS2試合を欠場した。
スイス戦は相手の堅守に苦しんだが、後半、ボランチのカゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド)がスルスルと攻め上がり、FWロドリゴ(レアル・マドリー)からのパスを右足のアウトサイドにかけて右のサイドネットに突き刺した。意表を突かれたスイスのGKヤン・ゾマー(ボルシアMG)は一歩も動けず、シュートの軌道を目で追うだけだった。こうして、ブラジルは早々とベスト16入りを決めた。
ただし、GSを首位で勝ち上がると、ラウンド16までの間隔が中2日しかない。そこで、チッチ監督はGS最終節のカメルーン戦で先発メンバーを9人入れ替えた。
ブラジルは前半から優勢で、多くのチャンスを作る。しかしシュートの精度が甘く、カメルーンの懸命の守備もあって、どうしてもゴールを割ることができない。
後半のアディショナルタイムに右からのアーリークロスをFWバンサン・アブバカル(アル・ナスル=サウジアラビア)に頭で決められ、0-1で敗れてしまった。W杯でアフリカの国と8度目の対戦にして、初の敗北だった。
三都主に生まれ育ったブラジルの3試合を聞く
元日本代表左SB三都主アレサンドロに、彼が生まれ育ったブラジルのGS3試合を見ての感想を聞いた。