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《ベスト8への秘策》「狙い目は心臓の脇!」“似た者同士”クロアチア戦を制するため日本はどう戦うべきか
posted2022/12/04 20:00
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Getty Images
日本対日本。もしくはクロアチア対クロアチアと言うべきか――。
日本サッカー史上初のW杯ベスト8進出を懸けた運命の一戦は、“似たもの対決”と言えるかもしれない。クロアチアの印象について、田中碧はこう語る。
「クロアチアの選手はすごくテクニカルですし、個人としてもハードワークしてくる印象です。どんなシチュエーションにも対応できるのは、彼らの良さでもあるのかなと思いますし、柔軟性や対応力にすごく長けているチーム。少し日本に似ているという感覚もあるのかなと思います。まあ、簡単な相手ではないと思いますね」
確かに。グループステージ3試合での総得点はともに4。1試合平均のシュート数は、どちらも10本。数字だけでなく、守備の局面での“粘り”も日本と共通する部分が多い。4−1−4−1のシステムで組むクロアチアの守備ブロックは常にコンパクトな状態を保ち、横に揺さぶられても、背後を狙われても、愚直にスライドを続けて最後の一線を割らせない。この守りでグループステージは3試合でわずか1失点。前回大会の決勝トーナメントでも3試合連続で延長戦にもつれ込みながら準優勝を果たしたように、接戦をモノにする粘り強さは、もはやお家芸だ。
クロアチア攻略の鍵は中盤にあり
ただし、粘りに粘る“納豆ディフェンス”は日本の武器でもある。クロアチア戦では板倉滉が累積警告で出場停止となるが、谷口彰悟がスペイン戦で堂々のW杯デビューを果たし、冨安健洋が復帰したことで、吉田麻也を含めた高くて強い“フラット3”は強度を維持できるはずだ。
守備面に共通要素が多い一方で、攻撃面の傾向には違いがある。
クロアチア=495.7本
日本=294.7本
これはグループステージでの1試合平均パス成功数だ。日本がドイツ、スペインという優勝経験国と同組となったことで守勢に回り、パスをつなげなかった影響もあるが、クロアチアはより手数をかけて攻めてくる。パスワークの心臓部となるのが、あの3人だ。