熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「冨安健洋の故障が」「もっと三笘薫と伊東純也を…」三都主アレサンドロが“残念なコスタリカ戦”を斬る「最大の失敗は失点じゃない」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/11/29 11:03
伊東純也と三笘薫、冨安健洋に対して三都主アレサンドロは期待を寄せている
「ドイツと違って、日本はコスタリカには個人能力で勝てる。前半からアグレッシブに攻めて先制し、相手が前へ出てきたところで追加点を奪い、そのまま試合を終わらせるのが理想だったと思うんだけど……」
――いずれにせよ、ドイツ戦と同様、この試合の前半も攻撃が機能しなかった。
「コスタリカが深く引いて守ってきたから、スペースがなかったのは確か。それを崩すには、スペインがやったように少ないタッチで速いパスをつないでコスタリカの守備ブロックに穴を開け、スペースを創り出すべきだった。でも、それができなかった」
故障が治っていない冨安不在はちょっと残念だった
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――前半の日本の守備に関しては?
「日本がボールを持っている時間が長かったから、守る時間が少なかったのは良かった。でも、時折、危険なカウンターを浴びていたのが心配だった」
――後半、日本は左SB長友佑都の代わりにCB伊藤洋輝を入れて3バックへ変更。CF上田の代わりに浅野を入れました。
「この交代は良かったと思う。ただ投入したCBが冨安健洋ではなかったのは、冨安の故障が治っていなかったからだろうね。これはちょっと残念だったけど」
――その後、後半17分に山根に代えて三笘、22分に堂安に代えて伊東を、37分に相馬に代えて南野拓実を入れました。
「どうしても勝ち点3が欲しい試合なのだから、このアタッカー3人をもっと早く入れてもらいたかった」
――三笘と伊東は、例によってドリブルでサイドを突破し、チャンスを作りました。
「この2人がW杯の大舞台でも力を発揮できるのは、すでにわかっていた。だからこそ、彼らにもっと長いプレータイムを与えてもらいたかった。そうすればより多くの決定機を作ることができ、得点する可能性が格段に高まっていたと思う」
この試合での最大の失敗は失点ではなく…
――後半の失点については?
「吉田麻也は大きくクリアするのではなく短いパスをつなぐことを選択したんだけど、少しズレたんだよね。危険を察知した守田が大急ぎでボールを掻き出そうとしたんだけど、詰めてきたコスタリカ選手の体に当たり、入れ替わってしまった」
――この試合から数時間後、スペインとドイツが引き分けた。日本はコスタリカとせめて引き分けていたら、GS最後のスペイン戦と引き分けても2位にはなれた。でも、負けてしまったので、最終節でドイツがコスタリカに勝った場合、日本はスペインに勝たなければGS突破が不可能となる。