――田中選手のプロ入り後の成長はどう見ていますか？

鬼木　1年目のキャンプの時なんかは“ザ・高校生”という感じでしたね。同期のジェフ（タビナス・ジェファーソン）といつも戯れていて、キャンプの時に2人を呼んで「お前らは何しに来たんだ」と怒ったことがあリます（笑）。ただ、徐々に上を目指せるようになってきた。アオは日本代表、ジェフはフィリピン代表と、それぞれ違う道に進んでいますが、レベルアップを求めてプレーできるようになったことは大きいのかなと思います。アオで言えば、フィジカル面の成長が特に大きいですかね。

デビュー戦で、初ゴールを決めた田中碧（右、2018年）©︎Masahi Hara/Getty Images

――フィジカルな成長というと？

鬼木　最初の頃は体幹が弱くて、スピードも物足りなかった。ただ、篠田コーチと一緒に身体をしっかりと作ってから、コツコツ磨いてきた技術が一気に発揮できるようになりました。今では身体の強さが長所になったことでさらにプレーの幅を広げた印象です。ウェイトトレーニングは技術の向上と同じくらい選手に自信をもたらすものなんだ、と教えてくれた選手ですね。

「精悍な顔つきになってきました」

――10代の頃から見ていて、性格の変化は感じますか？

鬼木　言葉の重みというか、自分が発する言葉がどう影響を与えるかを考えられるようになってきたのかなと思います。最近は、デビュー当時の無邪気な笑顔とはまた違った精悍な顔つきになってきました。相変わらず笑顔は可愛らしいですけど（笑）。

©︎Koki Nagahama/JMPA

――鬼木監督はよく田中選手を“サッカー小僧”と称していました。

鬼木　練習後もよくグラウンドに残っていましたし、サッカーに向き合う時間は非常に長かったと思います。ただ違った分野からも何か影響を受けようとしたり、サッカーに対して自分の中で目的を持ってやる選手になりましたよね。自分がどうなりたいか、どうしていきたいかと考えることは成長する上で重要なことだと思います。

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