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「1年目のアオに怒ったことがあります(笑)」「コウは泣きながら手紙を読んでくれて…」J1川崎・鬼木監督が語る“教え子”たちのW杯 

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林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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posted2022/11/22 17:00

「1年目のアオに怒ったことがあります(笑)」「コウは泣きながら手紙を読んでくれて…」J1川崎・鬼木監督が語る“教え子”たちのW杯<Number Web> photograph by J.LEAGUE

(左から)山根、田中、三笘など鬼木監督がフロンターレで指導した選手の多くが日本代表でW杯を戦う。「楽しんでほしい」とエールを送った

――最も古くから知っている選手で言えば板倉滉選手でしょうか? 2007年から1年間コーチとして務めた川崎U-12に在籍していました。

鬼木 やはり嬉しいですよ。コウは小学校の時から知っていますが、当時は本当に可愛らしく、負けず嫌いで、泣き虫な子という印象でしたね。それこそ僕がU-18の担当に替わる時、メンバーを代表してお別れの手紙を読んでくれたのもコウでした。泣きながら思いを伝えてくれた姿は今でもハッキリ覚えています(笑)。

――監督としては接する期間は短かったですが(2017年)、若い頃の印象はどうでしたか?

鬼木 コウの1年目(15年)は“勢い”でサッカーをやっていましたね。(17年の)ACLでも当時のブラジル代表だったパウリーニョと対戦する時、意気揚々と「やってやりますよ!」とピッチに出ていきましたけど、帰ってくると「やばかったです」と言っていたり(笑)。純粋で初々しい姿を覚えていますね。クラブは替わりましたが、そこから出場機会を得て、競り合いや球際の強さ、後方からのつなぎなどアグレッシブな姿勢をどんどんピッチで表現できるようになりました。今では欧州の強豪クラブにたどり着き、信頼も勝ち取っている。経験が必要なポジションですから、今後の伸びしろにも期待したいですね。

「小さい頃から自己主張ができていた」

――幼い頃から見ていた選手がプロになり、日本代表としてW杯に出場する。感慨深いのではないでしょうか?

鬼木 コウだけでなく、今回は選ばれなかった三好(康児)もそうですけど、こういう子たちがプロになるんだということを改めて感じています。彼らはジュニアチーム(U-12)の立ち上げ1期生で、成長過程を見られたことは指導者としても勉強になりました。

――彼らに共通点があるとすればどんな部分でしょうか?

鬼木 小さい時からしっかり主張できたこと、ですかね。当時からピッチの中でこうしたい、こうしようと自己主張していました。あとは自分がどういう存在なのかを認識できていたことも大切な要素だと思います。逆算とまではいかないかもしれませんが、目標を見据えながら突き進んでいく野心みたいなものが2人にはありました。

――当時からフロンターレで活躍する、日本代表になるという野心があったと?

鬼木 そうですね。育成の時期にどんな環境で、どんな選手と接するかも大事なことだと思っていて。ライバル関係というか、チーム内に意識の高い選手が近くにいることで目線が引き上がる部分はあると思います。そういう出会いも成長に大きく寄与したのかなと思います。

(#2三笘薫 編へつづく)
 

#2に続く
三笘薫は“先発orジョーカー?”「あの感覚は別格」J1川崎・鬼木監督も悩んだ起用法「考え方をステップアップさせてくれた選手」

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