サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「落選した選手の分まで、というつもりはない」あの26人メンバー発表のあと…柴崎岳30歳が語っていた本音「ドイツ戦は勝ちに行く」
posted2022/11/20 17:15
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
AFLO
アジア最終予選では出場機会の少なかった柴崎。カタールに渡る直前、記者に語っていた本音とは――。
◆◆◆
柴崎岳にとってのカタールワールドカップとはどんな大会になるのだろう。
ほんの少し前まで、本大会を戦う日本代表の先発は9月の米国戦の11人でほぼ確定と見られていた。
これまでの起用法や26人の招集メンバーを考えても、森保一監督はそう描いていたはずだ。しかし大会直前での負傷者の続出により、特に中盤の構成は不透明になっている。
柴崎は所属するレガネスでも主力としてプレーし、好調のまま代表に合流した。日本代表では最終予選途中から控えという立場となったが、負傷もなく良好な状態で本大会に挑める、ボランチとしては現代表唯一の選手となっている。
「4年前もそうだけど、誰が出るかなんて分からない」と柴崎は言う。
ロシア大会前も、柴崎は直前まで先発ではなかった。ヘタフェにいた17~18シーズンのバルセロナ戦で負傷し離脱。復帰後も出場機会は限られ、大会直前まで柴崎がワールドカップで主力として躍動する姿は想像できなかった。
「直前で怪我したり、体調不良になったり。今回もけが人が出ているし、森保監督はその時にいるベストなメンバーを試合に出すと思う。自分はしっかり体調を整えて、選ばれたときにベストなプレーができるように準備するだけ。どんな状況であってもそれが自分のためだと思うし、日本代表のためにもなる」
言葉の奥に、4年前に肌で感じた、全員で戦うことの重要性が見え隠れする。
総力戦として試される日本の力だ。
柴崎はワールドカップを経験している、今となっては数少ない選手のひとりでもある。
「前回の大会ですごく感じたのは、チームが団結して戦うのが本当に大事だということ。先発で出ても、出なくても、自分が出る出ないに関わらずピッチの上で日本代表がいいプレーをして結果を出すのが一番の目標。それに自分が少しでも貢献できるようにやるだけかな」
「落選した選手の分までというつもりはない」
日本のために戦えるのは誇り、と柴崎は言う。
カタールの地で日本代表のユニフォームを着てプレーできるのは26人だけだ。これまでの日本を背負ってきた大迫勇也や原口元気、クラブで好調だった古橋亨梧など、有力と言われた多くの選手がメンバーから外れている。