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サッカーW杯史上初の“女性審判”に選ばれた日本人「選手が男か女か、それは私にとっては関係ない」山下良美(36歳)はどんな人生を?
text by
イワモトアキトAkito Iwamoto
photograph byAkito Iwamoto
posted2022/11/21 17:00
カタールW杯の審判団に日本からただ一人、選出された山下良美(36歳)。3人の女性主審が名を連ねるのはW杯の歴史を振り返っても史上初のこと
今年7月にはJFAからプロ契約を打診された。
「より審判員として集中できる。私にとってベストな選択でした」
女子審判員初となるプロフェッショナルレフェリーとして契約を結んだ。W杯に続いてプロ契約、まわりから届く祝福の声とは反対に、内心では戸惑いを感じていた。
「“女性初”として担当する試合については、私のパフォーマンスによっては、この機会が継続しないかもしれないという気持ちは常に持っています。試合が終わっても、これで大丈夫だったのかと不安になります。
プロになった身ではありますが、プロになることがすべてではない、とも思っています。ほかに仕事をしながらレフェリーをしてもいい。私も長年アルバイトを続けてきました。あり方は多様でいい。これまでの選択肢に“プロ”が加わったことが何よりうれしいです。
いつか私の姿を見て“プロのレフェリーになりたい”と思ってくれる人が、ひとりでも現れてくれれば幸せです。その時、きっとプロになって良かったなと自分でも思えるんじゃないかな」
W杯という想像を超える大役にも「目の前の試合をひとつずつ、ただそれだけです。先のことは考えない性格なので」と笑う。
どこまでも実直な大和なでしこが、サッカー史に新たな1ページを刻む。
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