欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「カマダはリーダー格」「やせ細った印象は消え…」監督・ドイツ紙ベタボメ “43億円の男”鎌田大地がW杯前に見せた“90%の新境地”
posted2022/11/12 17:02
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Daisuke Nakashima
日本代表MF鎌田大地の成長が止まらない。
昨季は所属クラブのフランクフルトをヨーロッパリーグ(EL)優勝に導く活躍を見せ、今季もブンデスリーガ第14節終了時点でリーグ5位タイとなる7得点をマーク。チームも4位と好位置につけている。
世界のサッカーファンを改めて驚かせたのが、世界最高峰と言える欧州チャンピオンズリーグでの活躍ぶりだろう。クラブとしても鎌田自身としても初参戦となるこの夢舞台で、グループリーグ3試合連続ゴールを決めるなどハイクオリティのプレーを披露。クラブの決勝トーナメント進出に大きく貢献した。
CLという場所に出続けたいという気持ちはすごくある
本人も、CLには特別な思いがあるようだ。
「ヨーロッパ(EL)でどれだけ戦えているかより、相手がどうであれCLの方が確実に周りからの見られ方だったり、評価だったりが変わってくる。やっぱり、CLっていう夢のある舞台というかね、そこで活躍できればすぐ上に行けるだろうし。だから、CLという場所に出続けたいという気持ちは、すごくあります」
事実、CLのグループリーグ6試合を通して、鎌田の評価は急激にアップした。ドイツの地元メディアが「ドルトムントが来季の補強リスト最上位にカマダの名前をあげている」と報じられているほどだ。
選手の移籍情報などを扱う『transfermarkt.de』によると、鎌田の市場価値は11月9日の時点で3000万ユーロ(約43億円)になっている。5年前のサガン鳥栖時代は75万ユーロ(約1億1000万円)だったので、40倍に急騰していることがわかる。
2017年に鳥栖からフランクフルトへ移り、今季が6シーズン目。毎年のようにメンバー構成が変わっていくなか、シント・トロイデン(ベルギー)への期限付き移籍も経つつ、中心選手として君臨し続けているのは特筆すべきことだろう。
グラスナー監督の賛辞が胸を打つ
フランクフルトを率いるオリバー・グラスナー監督による鎌田への賛辞が胸を打つ。
「カマダはそのパフォーマンスで、これまでもすでにリーダー格の選手だった。確かに、控室で熱い言葉によってチームを奮い立たせるようなタイプではない。ゴールへのプレー、そしてパフォーマンスでチームの先頭に立って戦う選手だ」
どのような状況でも現状を冷静に分析し、すべきことを的確に把握し、目の前のことに真摯に向き合える。自分の長所を磨きながら、自身の完成度を高め続けている。今季は、これまで定位置だったトップ下だけではなくボランチとして新境地を開拓してもいる。