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久保建英「脱臼ケガ明け緊急出場」を撮った…W杯へ頼もしい攻撃力と“激論”、気になるのは“ほぼ90分プレー時の疲労感”
posted2022/11/13 17:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
カタールW杯による中断前最終節となったリーガ14節、久保建英所属のレアル・ソシエダは、セビージャFCの本拠地ラモン・サンチェス・ピスファンに乗り込んでの試合となった。またベンチスタートだったものの、前半10分からの緊急出場となった久保にとっては、ELオモニア戦での負傷からの復帰戦となった。この一戦の撮影に赴いた(※【新着写真】からご覧になれます)。
ヨーロッパカップ戦の常連でもあるホームチームのセビージャは、今シーズン不調に沈み、すでに監督交代が行われている。
後任であるサンパオリ監督就任後も状況は好転せず、前節終了時点で勝利数2と降格圏間近である。一方アウェイに乗り込んだソシエダも、ここ5試合勝利を挙げられずに今節を迎えており、両チームともに是が非でも勝利でリーガ中断を迎えるべく、この試合に臨んだ。
2トップの一角が早々に負傷し、久保に出番が
11月9日、スペイン南部アンダルシア州セビージャ、雨予報が出ていたが綺麗な青空が迎えてくれた。負傷者の続出とともに成績を落とし始めたソシエダにおいて、現地メディアの予想フォーメーションではダビド・シルバ、久保建英の先発復帰が告げられていた。
しかし実際に発表されたフォーメーションに久保の名は見当たらず、2試合続けてのベンチスタート。W杯直前ということも配慮されてか、戦況を見極めての起用となるはずだった。
19時、両チームイレブンが入場してくる。満席となったファンが総立ちでイムノを歌い選手を奮い立たせる。大きなスタジアムではないが、この雰囲気は何度来ても特筆すべきものがある。
試合は序盤から白熱。36歳、元スペイン代表ヘスス・ナバスが力強くボールを蹴り出す。またソシエダのベンチ前でセルロートが倒されると、控えに回る選手たちも激しく反応を示した。そして前半10分、ツートップの一角で出場したカルロス・フェルナンデスが早くも負傷でピッチに座り込んでしまった。
慌ただしくなるソシエダのベンチ、そして久保も慌ててピッチ脇でアップに走り出てきた。十分な時間も得られぬまま交代に向かう久保からは、肩を固定するサポーターが覗き見えていた。
フェルナンデスのポジションにそのまま入った久保は直後、フリーでメリノからのパスを引き出しシュートを放つ。この場面ではオフサイドを取られたが、選手交代によってできた相手守備の乱れをうまく利用する狡猾さを見せた。
そして前半20分、メリノからのパスを受けたセルロートが技ありシュートで先制に成功した。
相手の連続レッドカード、久保は味方に…
激しく見ごたえのある試合が繰り広げられたが、その激しさがセビージャにはアダになる。2つのVAR判定によって28分にラキティッチ、34分にはクアシにレッドカードが提示され、前半のうちに2人の退場者を出してしまった。2人目の退場者の判定が下される場面では、ソシエダ監督は久保を呼び寄せてフォーメーション変更の指示などを送っている。
その直後に久保からシルバ、メリノへ指示が伝達される姿も撮影でき、久保は右サイドへポジションを移している。