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野ボール横丁BACK NUMBER
金足農キャプテンが明かす、カナノウ旋風から“現実に戻った日”「世の中はそんなに甘くないんだな」…吉田輝星も「打ちのめされてました」
posted2022/11/04 11:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Kei Nakamura
秋田県勢として103年ぶりの決勝進出を果たすなど、甲子園の歴史に鮮烈な足跡を残した「2018年の金足農」。あれから4年、当時のキャプテン・佐々木大夢(日体大4年)が明かす、あの夏の熱狂と、引き戻された現実とは。(全2回の前編/後編へ)
――この夏、甲子園中継は結構、観ていましたか?
佐々木 練習もあるので、最初から最後まで、というのはなかなかなかったですね。
――NHK中継の場合だと、試合と試合の間に「白球の記憶」という過去の印象的なチームや試合を振り返る映像が流れるのですが、その中で何度、2018年の「カナノウ旋風」が流れたことか。やはり近年では、金足農業の快進撃がもっともインパクトがあったのだなと改めて思いました。
佐々木 それはけっこう周りの人に言われましたね。また、たくさん映ってたよ、って。あの年がちょうど100回大会という節目の年だったから、使ってもらえたというのもある気がします。でも、来年からは仙台育英ばっかりになるんじゃないですか。東北初の全国制覇ですからね。僕も東北人として、嬉しかったですね。
――カナノウ旋風から4年。今でも時折、当時を思い出すことはありますか。
佐々木 むしろ、意識的に思い出すようにしていましたね。しんどいな、と思ったときとかに。あれだけ注目してもらって、地元の人にも喜んでもらえた。それに恥じない自分にならなきゃ、って思えるじゃないですか。
筑波大を受験…「世の中は甘くないんだなと」
――あの準優勝で、みんな大きく人生が変わったと思うのですが、佐々木君の場合はどうでしたか。