棋士編入試験こそ3敗で挑戦を終えましたが、西山朋佳女王・女流王将とフルセットの激闘となった白玲戦を4勝3敗で制して同タイトルを奪取。さらに女流通算タイトルを50の大台に載せました。

　さらに女流王座戦・倉敷藤花・女流王将戦とタイトル戦ラッシュの真っただ中にいるわけで……。考えてみれば女流棋士として頂点の戦いに挑みながら、初の女性棋士を目指す対局に臨んでいたわけで、その超ハードスケジュールにも変わらず凛とした里見女流五冠の凄さを改めて感じています。

©Junsei Chida

久保利明九段＆久保翔子女流二級にも注目！

　なお女流棋士と言えば、10月に新たに加わった久保翔子女流二級にも密かに注目しています。なによりお父さまが「捌きのアーティスト」こと久保利明九段！　16日に行われた若手棋士の登竜門「加古川青流戦」、徳田拳士四段と齊藤優希三段の決勝三番勝負第2局で、師匠である久保九段の聞き手を務めていました。YouTubeで大盤解説の様子を見ていたのですが……なんとなく、お父様の方が照れていたような気が（笑）。

　将棋界には塚田泰明九段と高群佐知子女流四段のご両親と塚田恵梨花女流初段の「将棋一家」、さらに村田智弘七段・村田智穂女流二段や中村亮介六段・中村桃子女流二段など“きょうだい棋士”も存在します。皆さんの家族全員での将棋愛エピソードも心温まるので、ぜひ久保さん親子にも注目したいですね。

　なお個人的に心を痛めているのは「対局中のマスク不着用」のニュースが大きく報じられたことについて。それぞれの対局者がベストを尽くそうとした中で起きた事案と推察しますが……ルールを含めてすべてが、今後よい方向に向かうことを心から願っています。

　最後は少し真面目な話になりましたが――竜王戦や順位戦、王将戦挑戦者決定リーグ、さらに佐藤天彦九段と藤井五冠、羽生九段と伊藤匠五段が相対する棋王戦挑戦者決定トーナメントなど注目の対局は続きます。驚くような一手一手と、時に観られるホッコリとしたシーンを今月も見逃さずに全力観戦します！＜構成／茂野聡士＞

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