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「藤井聡太王将vs羽生善治九段の初タイトル戦かも?」「広瀬章人八段が藤井竜王のおやつを…」観る将マンガ家が描く“秋のエモい対局” 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byBUNGEISHUNJU/Junsei Chida

posted2022/11/03 06:00

「藤井聡太王将vs羽生善治九段の初タイトル戦かも?」「広瀬章人八段が藤井竜王のおやつを…」観る将マンガ家が描く“秋のエモい対局”<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU/Junsei Chida

「藤井-羽生」の初タイトル戦となるか?観る将マンガ家が描いた「2022年10月の将棋ハイライト」。過去のイラストは関連記事からご覧になれます!

 第1局では研究の成果もあって藤井竜王相手の快勝譜となりました。さらに第2局、第3局でもABEMA中継の評価値では“広瀬八段が優位に進めている”形勢判断の時間帯が長く続くなど、かつて手にした竜王を再び手に入れるための並々ならぬ決意・準備を感じます。ただそれを「藤井曲線」(※終盤に近付くにつれ、評価値が藤井竜王優位に振れていくこと)で勝ち切ってしまうのもさすが竜王……というところなのですが。

 ちなみに竜王戦開幕特集号の「Number」にも広瀬八段のインタビューが載っていましたが、対局時の勝負師とは一味違う、パパの顔が本当に家庭的で心温まりますので、見ていない方がいたら、ぜひ。

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おやつをめぐる駆け引きもアツい?

 柔らかめな話題で言うと、おやつもコンテスト化されて「ハロウィン仕様のモンブラン」、「歩の駒を持ったタヌキのケーキ」など盛り上がっていますね。

 特に“盤外での駆け引き”になったのは第2局でのこと。昨期は藤井竜王が頼んで大きな話題になった「くま最中」が「竜王戦バージョン2022」となったのですが……1日目午後のおやつで、藤井竜王ではなく広瀬八段が先に頼む展開に。第1局でも広瀬八段が先にモンブランを頼んだ経緯があるため、「おやつ乗っ取り定跡」なんて表現をするメディアもありましたね(笑)。そういったユーモアセンスを秘める広瀬八段も、素敵な存在です。

 あと少しマニアックですが、「えっ? どうなっているの?」と思ったのは、清水市代女流七段の“高速移動”です。21日朝、京都での竜王戦第2局でその姿を拝見したと思ったら、その日の夕方に東京・将棋会館で行われていた白玲戦第7局に清水女流七段の姿が。もちろん新幹線使えば行けないことはないとは思いますが……ただただ驚きました(笑)。

2)藤井竜王の10月対局、王位就位式での贈り物

 藤井竜王の「10月の対局」などについても振り返ってみましょう。竜王戦第3局の対局場となった「割烹旅館たちばな」は、目の前に富士山が見える風光明媚な場所でした。やはり竜王戦は特別な場所が多いですね。

 対局は計5局でしたが、前述した竜王戦で広瀬八段と計3局、順位戦では2期連続名人挑戦の斎藤慎太郎八段、棋王戦挑戦者決定トーナメントでは豊島将之九段とタイトル経験者のトップ棋士との戦いで、4勝1敗の成績を残しています。藤井竜王は谷川浩司十七世名人の持つ「最年少名人」への挑戦が注目されていますが、順位戦A級は超実力者ばかり。中盤から終盤に差し掛かる戦いにも注目が集まります。

 対局から離れた細かなところで注目したのは、10月25日に行われた王位就位式です。

【次ページ】 人間国宝の香炉をもらった藤井王位(イラスト)

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