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ヤクルトはドラフトでなぜ“持っている”のか? 伝説は“くじ運最強の社長”から小川GMまで…球団職員「そのツキで私の宝クジを買って下さい」 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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posted2022/10/20 11:08

ヤクルトはドラフトでなぜ“持っている”のか? 伝説は“くじ運最強の社長”から小川GMまで…球団職員「そのツキで私の宝クジを買って下さい」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

1980年代から「ドラフトくじ」で無類の勝負強さを誇ってきたヤクルト。その理由を探る

山田哲人以外にも…「外れ1位」が大活躍

 翌々年、ヤクルトは藤浪晋太郎を指名。再び小川監督がくじを引くも、阪神の和田豊監督に負け、外れ1位で石山泰稚を単独指名した。藤浪は高卒1年目から3年連続2ケタ勝利を挙げて前評判通りの活躍を見せたが、5年目以降は調子を崩した。石山は1年目から60試合に登板し、10セーブを挙げる。4年目に右ヒジを故障するが、翌年以降は再びフル回転している。

 2017年オフ、2度目の就任を果たした小川監督のもと、ヤクルトは高校No.1スラッガーの呼び声高い清宮幸太郎を指名。史上2番目の7球団が競合し、日本ハムの木田優夫GM補佐がくじを引き当てた。ヤクルトは外れ1位で村上宗隆を指名し、巨人の高橋由伸監督、楽天の立花陽三球団社長に抽選勝ちした。小川監督は、高卒2年目の村上が何度エラーしても三振の山を築いても我慢して起用し、王貞治の記録を抜く日本一のスラッガーに育つ下地を敷いた。

 2018年は投打に可能性を秘めた根尾、東都リーグのエース・上茶谷を外し、清水を単独指名。清水は2年目から3年連続50試合以上に登板し、防御率は昨年2.39、今年1.16と安定感のある投球を続けている。

 抽選3勝7敗ながら、小川淳司はドラフト史上に残る“本当のくじ運”を持っているのだ。

【次ページ】 高津監督も「持っている感」唯一の“懸念”は…

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