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バイエルンが頼った敏腕スカウト。
川田尚弘が日本で中高生を探す理由。

posted2020/06/17 11:30

 
バイエルンが頼った敏腕スカウト。川田尚弘が日本で中高生を探す理由。<Number Web> photograph by AFLO

バイエルンがどこにも負けないクラブを目指す以上、どこにもいない選手を自分たちで教育する必要があるのだ。

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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 中学生のときからバイエルン・ミュンヘンに短期留学を繰り返し、高校卒業とともに入団――。そんな新しいルートが拓けるかもしれない。

 今年2月、かつてボルシアMGのU-19でコーチを務めた川田尚弘が、バイエルン・ミュンヘンのスカウトに就任した。川田はこれまでハノーファー、ケルンのアジア地域の国際スカウトを担当しており(酒井宏樹、長澤和輝、大迫勇也の獲得に携わった)、3度目のスカウト就任になる。

 きっかけはドイツサッカー協会・公認B級指導者ライセンス講座の同期生、マティアス・ブローザマーがバイエルンのスタッフに就任したことだった。

「マティアスとはB級ライセンス講座で知り合い、そこから親交を深めてきました。10年近くの付き合いになります。彼は指導者としてSCフライブルクの下部組織でU-19コーチやU-17監督を務めてきました。

 フライブルク退団後、彼がバイエルンのアジアサテライトオフィスのスポーツ部門長兼責任者になり、『バイエルンのグローバル化の更なる発展の1つとして、アジア地域に向けて様々なプロジェクトを進めていきたい。是非とも協力して欲しい』と話があったんです」

探しているのは、中学生・高校生。

 バイエルンが初の海外事務所をニューヨークに設立したのは、2014年4月のこと。その成功を受け、2017年3月に上海にアジア事務所をオープン。当初はファンやスポンサーの獲得が目的だったが、アジアの競技レベルの向上を受け、2018年10月、ブローザマーがスポーツ部門長兼責任者として上海に送り込まれた。

 今後、日本在住の川田がアジア事務所常駐のブローザマーらスタッフ数名と定期的に情報交換やミーティングを重ね、そしてブローザマーがドイツにいるバイエルンの育成部・強化部スカウト・監督・コーチなどに情報共有する流れになる。

 ブローザマー本人も頻繁に来日し、昨年もJリーグの試合を川田とともに数試合観戦した。

 では、バイエルンはどんな選手を探しているのだろう? 結論から言えば、中学生・高校生年代のネクストジェネレーションだ。

【次ページ】 バイエルンでの即戦力は現実的ではない。

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