マドリーのラインナップを眺めると、昨季CL決勝対リバプール戦のメンバーが並ぶ。移籍でチームを去ったカゼミーロに代わり新加入のチュアメニ、負傷のGKクルトワに代わりウクライナ代表ルニンが名を連ねた。

　対するバルサは、直近、ホームで3-3で終わったCLインテル戦からピケ、マルコス・アロンソ、ガビに代わり、怪我から復帰のクンデに加え、バルデ、デヨングが、先発に名を連ねた。

マドリーが宿敵相手に見せた盤石の好守

　マドリーの厳かなイムノが流され、両チームイレブンが入場してくる。サポーターの声援、シャッター音も相まり、独特の空気感が醸し出される。

　前半はマドリーが攻め込むサイドにカメラポジションを取った。開始からすぐ、目の前でビニシウスとクンデのマッチアップが繰り広げられた。その後もビニシウスのサイドから攻撃を仕掛けるが、ウイングのデンベレ、ラフィーニャまで戻ってバルサも対処する。

　全体的にはバルサのポゼッション率が高くなり、逆サイドで展開する時間が多くなってきた。

　ブスケッツを中心にパスを回すバルサを逆サイドに眺め、ポジション取りを誤っただろうか――と思い始めた12分、中盤でブスケッツとの競り合いを制したクロースからビニシウスにパスが入ると、一気に加速。テア・シュテーゲンと1対1に持ち込みシュートを放つ。

　これはテア・シュテーゲンが見事に防いだが、ベンゼマがこぼれ球に詰め冷静にゴールに蹴り込み先制に成功した。マドリーから見て自陣ゴール前の展開からわずか15秒ほどの出来事だった。

　その後もレバンドフスキを中心にバルサが相手陣内でボールを持つ時間が長くなるが、ミリタン、アラバを中心とした守備陣を崩すことはできずに時間が進む。

　すると35分、フィードの処理が乱れたところからビニシウスに押し込まれると、最終的には、ゴール正面ボックス外でフリーとなったバルベルデにボールが渡る。するとバルベルデは低弾道ミサイルのようなシュートを打ち込む。マドリーが2点差とし、前半を終わらせた。

バルサ指揮官のチャビが必死に指示を出すが

　両チームメンバーの変更なく迎えた残り45分も、試合展開が変わることがなかった。バルサとしてはデンベレ、ラフィーニャの両サイドからの展開を図りたいが、そこまでボールをつなげる策が見出せず、闇雲にパスを回すことしかできない。攻撃回数こそ相手を上回るが、決定機を作るまでには至らない。

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