- #1
- #2
欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「クボは悪夢のような存在だ」ソシエダのレジェンドが語る久保建英の”存在しないスペース”を見つける能力「ダビド・シルバに似ている」
text by
フィル・ボールPhill Ball
photograph byGetty Images
posted2022/10/16 17:01
ラ・リーガで今季2得点目を決め、ソシエダのチームメイトともに喜ぶ久保建英
「元選手として言わせてもらえば、最近のセンターバックはゲームを組み立てていくのがはるかにうまくなった。これはゴールキーパーにも当てはまる。ただしビルドアップをしていくためには、まず相手のフォワードがかけてくるプレスをいかにかいくぐるかがポイントとなる。後ろから運任せで、ロングボールを蹴ったりするわけにはいかないからね。
ところが久保のような選手は、まさにディフェンダーがボールを持ち出せないようにプレスをかけてくる。だから今のサッカー界では、足元の技術があってビルドアップができるセンターバックと、プレッシングができるフォワードの間で『新しいバトル』が繰り広げられているんだ」
久保が一変させた、日本人選手のイメージ
ゴリスの指摘は説得力に満ちている。久保は超一流のアタッカー、しかもゴリスが指摘したようにダビド・シルバなどに一脈通じる新世代の攻撃的な選手として、存在感を示している。この点については、改めて詳述するまでもないだろう。
だが彼は同時に、一人目のディフェンダーとしての能力もきわめて高い。現に、前線からプレスをかけてボールを奪ったり、パスコースを防いだりしながら守備においても大きく貢献してきた。
「もちろん、これをやり続けるのはフォワードにとっても楽じゃない。だからクリスティアーノ・ロナウドのような選手は、ボールを追いかけ回したりはしない。でも久保はそういう役割もしっかりこなしてくれる。
彼の姿勢はすごく好感が持てるね。僕は現役の連中とも久保について話したことがあるけれど、彼らも久保を本当に気に入っていた。特に献身的なプレースタイルは褒めていたよ。まさかあんなにハードワークする選手だとは思っていなかったらしい。
それは僕も同じさ。久保は(攻撃の才能だけでなく、勤勉さやチームに尽くそうとする姿勢の強さという点でも)日本人のサッカー選手全体に対するイメージを覆してくれたんだ」
<後編に続く>