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“クボコールに応えるヘディングアシスト”だけでない久保建英の強み 「自信に満ちる右サイドでの落ち着き」をELで撮った
posted2022/10/16 06:00
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
10月13日、ヨーロッパリーグ第4節レアル・ソシエダ対シェリフ戦の撮影に向かった(撮影は【新着写真】からご覧になれます)。
サンセバスチャンをホームタウンとするソシエダは、週末に行われたラ・リーガ、対ビジャレアル戦での勝利から中3日でこの試合を迎えた。
キックオフは21時。スペインとはいえ冬時間に切り替わるまでは20時前には日が落ちてしまう。スタジアム最寄の『Bar Sacha』に集まるソシエダサポーターを、夕日に代わって街灯がタングステン色に照らしていた。
ELのレギュレーションでは、各組1位が自動的に決勝トーナメント進出、2位チームはCLで各組3位となったチームと決勝トーナメント・プレイオフを戦わなければならない。
ソシエダは、この試合で勝ち点を1でも積み上げればグループ突破を決定付けることができる。とはいえ、EL初戦オールド・トラフォードでの勝利からの連勝によって現在グループ1位。この状況を考えれば、首位突破を目指すのが必須だろう。
ただ、W杯冬開催というイレギュラーな日程によってリーガとの過密日程を強いられている。これを乗り越えるため――イマノル監督がどのような布陣で臨むのか。マネージメントにも注目は集まっていた。
久保らがサブに回る中でチームメートが見せた戦いぶり
ビジャレアル戦で87分までプレーした久保建英、スペイン代表経験もあるメリノ、スビメンディがサブでのスタートとなった。ツートップにはセルロート、そして久保に代わって長期離脱から復帰したカルロス・フェルナンデスが入った。
またCBとして守備ラインを統率してきたアリツ・エルストンドが右サイドバックに入りポリバレントな一面を見せている。
試合は、中盤をソシエダのレギュラー格であるダビド・シルバ、ブライス・メンデスに加えてゲバラ、ソシエダBから昇格した20歳トゥリエンテスが制し攻勢に出るが、5バックを敷くシェリフから、なかなかゴールを奪うことができずにいた。
だが33分、ディエゴ・リコの突破をシェリフ20番ゾホウリが手で突き飛ばし、2枚目のイエローカードで退場に。ことの重大さに気づき落ち込む姿は悲壮感を漂わせたが、軽率なプレーだったか。
なおその頃にソシエダベンチに目をやると、点を奪い切ることができない状況を鑑みてか――久保がアップを開始し、後半頭からの起用もあるように見えた。引き分けではなく、勝ちに行くという監督の意志が見えるシーンだった。