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“元世代別日本代表”浦田樹はなぜクロアチアに? 日本、ブラジル、東欧を股にかけた独自のキャリアと「あるウクライナ人夫妻」への思い 

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長束恭行

長束恭行Yasuyuki Nagatsuka

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photograph bySiniša Sović / NK Varaždin

posted2022/10/15 11:00

“元世代別日本代表”浦田樹はなぜクロアチアに? 日本、ブラジル、東欧を股にかけた独自のキャリアと「あるウクライナ人夫妻」への思い<Number Web> photograph by Siniša Sović / NK Varaždin

クロアチア1部リーグのバラジディンに所属する25歳の浦田樹。インタビュー前編では、そのユニークな経歴について話を聞いた

――そのせいでイストラのFW原大智(現アラベス所属)とは直接対決できなかったんでしたっけ?

 そうなんですよ。僕がイストラにアウェイで行った時は原君が加入直後でベンチに座っていて、イストラがバラジディンに来た時は原君が点を決めましたけど僕はケガで試合に出ていないんです。彼とはちょっとしゃべりましたが、新たな日本人が加わったことは凄く嬉しかったですね。

――1年目は23試合に出場して1得点・5アシストを記録するも、バラジディンは最終節で降格が決まりました。その時はどんな気持ちだったんですか? 複数年契約を結んでいたわけですよね?

「2部ではやりたくないし、どうしよう?」と思いまして。バラジディンには本当に申し訳ないけど。クラブ側からは「残ってくれ」と言われていましたが。

“出戻り”にもチームメイトたちは「おー、お帰り」

――そして2021年8月にスロバキア1部リーグに渡りました。あれはどういう流れで?

 違約金の問題とかがあって移籍先がなかなか成立しない中、一度はセレヂというクラブに加入したものの、いろいろな問題が起きて3週間で契約を解除しました。

――それからしばらく空白期間がありますよね?

 冬までクラブを探しつつ、リーグ無所属の社会人チーム「イルマッシブ」で活動させてもらいました。スロバキアの件もあったんで、幾つかオファーを受けても納得が行かずに断り続けていたところ、移籍市場が閉じる直前で再びバラジディンから声がかかりまして。その時は2部リーグの2位で、昇格争いをしていたんです(1位のみが自動昇格)。

――戻ってきた浦田さんに対するチームメイトの反応は?

 これが意外とウェルカムでした。「なんでお前、帰ってきてるんだよ!」なんて言われると思っていたら、みんなが「おー、お帰り」みたいな感じで(笑)。

――ルデシュやオリエントとの三つ巴による激しい昇格争いでしたが、地元は盛り上がっていたそうですね?

 最後のあたりは凄かったです。

――そして昇格がかかった第29節のドゥーゴポーリェ戦を本拠地で迎えるわけですね。

 そうです、優勝決定戦みたいな雰囲気でして。引き分け以上で昇格が決まる試合でした。

――浦田さんがピッチ中央から強烈なミドルシュートを叩き込みました。それも昇格を決めるゴールを。

 でも、その後にやらかしましたけどね。ゴール前で滑って失点にも絡んだんですよ(苦笑)。

――試合後にはみんなからゴールについて褒め言葉を言われました?

 言われましたね。

――あのゴールはとりわけ印象に残るシーンですよね。

 ミスしたことで自分の気持ちは複雑でした。でもチームや街の盛り上がり方は凄かったです。一番雰囲気が良かったですね。

<後編へ続く>

#2に続く
知られざるクロアチア1部のリーグレベルとは…バラジディン所属・浦田樹25歳が語る“日本との違い”「最初はめちゃくちゃ怒られました」

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