核心にシュートを!BACK NUMBER
「リツほどのレベルなら…」なぜ堂安律は“短所をプレゼンされた”フライブルク加入後、好調なのか「答えは単純。僕は何を言われても」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/10/10 17:02
日本代表での活躍も期待される堂安律。フライブルクで好調の要因は?
「もしも、自分に欠点がなければ、今ごろ僕はここにはいない。今はまだ、欠点があるから、自分の夢であるビッグクラブに到達できていないわけです。自分がいつかビッグクラブへ行きたいのであれば、欠点を指摘してくれるような監督がいるところでやって、成長する必要があるので」
そして、こう強調した。
「答えは単純なんです。僕は何を言われてもいい。それによって、自分が上手くなれるのであればね」
堂安のドリブル数は第8節を終わった時点でチームトップを記録している。シュート数、クロス数も、枠内シュート率、ペナルティエリア内でのタッチ数、シュートにつながるパスである「キーパス」の数も、すべてチームトップ3に入っている。
さらにフライブルクは10月9日時点で2位につけるなど好調な中で、堂安は9日のヘルタ戦でも2人を背負いながらも巧みなキープとターンから、先制点をアシスト。試合は2-2のドローに終わったものの、まさに攻撃の中心として勝敗の責任を負う立場にある。
これはつまり、成長を後押ししてくれる、最高の環境に身を置いているということに他ならない。
カタールW杯までは残り約1カ月半。となると、チーム力の上積みは、選手たちの個々の成長に負うところが大きい。
そう考えたときに光るのが、堂安の持つ「成長へのハングリー精神」だ。
「今までやってきたことが、W杯では全て出る」
堂安は言う。
「今までやってきたことが、W杯では全て出ると思っています。4年に1回の大イベントですけど、そこにラッキーパンチはないと僕は思っているので。そこで活躍できるヤツは、今まで努力してきた人間だと思っています」
全ては、成長のため。
目先の甘い言葉によってではなく、サッカー選手としての本質を見きわめながら進む道を決める。そんな堂安の生き方が、4年に1度の大舞台で花を咲かせたとしても、何ら不思議ではないのである。
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