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「リツほどのレベルなら…」なぜ堂安律は“短所をプレゼンされた”フライブルク加入後、好調なのか「答えは単純。僕は何を言われても」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/10/10 17:02

「リツほどのレベルなら…」なぜ堂安律は“短所をプレゼンされた”フライブルク加入後、好調なのか「答えは単純。僕は何を言われても」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本代表での活躍も期待される堂安律。フライブルクで好調の要因は?

 シュトライヒはしょっちゅうテクニカルエリアを飛び出し、選手たちに必死の形相で指示を送る。その姿は、かつてバイエルン・ミュンヘンを率いたペップ・グアルディオラを想起させる。

監督は僕に「ゲームを作る能力もある」と

 堂安と名将が目を向けるのは守備だけではない。

 オリンピアコス戦では、攻撃でもこんなシーンがあった。〈4-2-3-1〉の左センターバックのフィリップ・ルンナートがボールを持っているときのことだ。右MFを任された堂安はタッチライン際の高い位置に張っていた。そして、堂安は、サイドを大きく変えるようなパスを要求すると、ルンナートからパスが出た。しかしこれは精度を欠いて堂安の元には届かず、タッチラインを割った。

 すると、シュトライヒ監督は、堂安にはもう少し低いポジションをとるように指示をした。そのうえで、両腕をつかったジェスチャーで、ショートパスを使って、確実につないでいくように求めた。

 堂安は、そんな監督の意図をしっかり理解していた。

「監督は僕には『ゲームを作る能力もある』と思ってくれている。(左サイドのヴィンチェンツォ・)グリフォがよくやるような(低い位置に)下りて、ゲームをつくるようなプレーも『右サイドでもやってほしい』という風に言われているので」

 ここまでの流れだと、監督から一方的に指示を受けている印象を感じるかもしれない。

 だが、それは違う。続くホッフェンハイム戦でのことだ。

 相手は3バックを採用してきた。そこで堂安はウィングバックとセンターバックの間に抜ける動きを繰り返し、レシーバーやフィニッシャーとしての存在感を発揮していた。こうしたプレーは開幕直後より増えていて、そこにも理由があると堂安は語る。

「前にスペースがあればやはり、僕は仕掛けたい。そのあたりは、監督と常に意見交換しています。サイドに張りたい場面や中に行きたい場面も、監督と話し合ったおかげで、チームの戦術に組み込んでくれていますし。だから、少しずつボールを受ける数も増えてきているし、良くなってきているかなと思いますね」

前回のブンデス挑戦時より伸びている“あるデータ”

 2人の間にあるのは、日本における先生と生徒のような主従関係ではない。ヨーロッパ的な価値観における、監督と選手の対等な関係だ。

 一方的に教えられるのではなく、対話を通して学びを深めていく。

 現在の堂安からポジティブな空気が漂うのは、教えられているのではなく、主体的に学んでいる姿勢があるからだろう。

 その成果はすでに表れている。

【次ページ】 少しずつサッカーの理解度が高まっていると思う

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