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セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
44歳ブッフォン今も正守護神!“切られた監督”インザーギにカンナバーロは… W杯優勝イタリア戦士が「セリエBでお祭り騒ぎ(笑)」
posted2022/10/09 17:01
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Claudio Villa/Getty Images
「世界最強はハーランド(マンチェスター・C)かエムバペ(パリSG)? ちがうね、俺の選手たちこそが世界最高さ」
フィリッポ・インザーギにこう言われて、発奮しないサッカー選手はいない。彼が監督として率いるレッジーナは、現在セリエB(イタリア2部)で首位タイに立っている。
レッジーナといえば、02年夏から3年間MF中村俊輔(現横浜FC)がプレーした、日本人にも馴染み深いチームだ。
イタリア半島の爪先にあるレッジーナは、09年を最後にセリエAから降格した後、何度か陥った破産とクラブ消滅危機をしぶとく生き残り、昨夏に新経営陣が発足。00年代の欧州CLで大暴れし、ドイツW杯で優勝した元アッズーリの名ストライカーを異例の長期3年契約で招いた。
インザーギがメネズらとともに捲土重来を期す
指揮官インザーギは、再起に燃えている。
17-18年にベネツィアを昇格プレーオフに導き、19-20年にベネベントをセリエBで優勝させた彼には、指導者としての自負があった。昨シーズンに率いたブレシアでも長く首位戦線を引っ張ったが、終盤の失速で無情の解任通告。プライドを踏みにじられたインザーギは監督業休養も考えたが、セリエA復帰を目指すレッジーナの熱に突き動かされた。
ミラン監督時代に鍛えた元フランス代表FWジェレミー・メネズらベテラン勢や抜擢したU-20イタリア代表の主力MFジョバンニ・ファビアンといった若手が噛み合う海峡のチームは攻撃志向。難敵パレルモを3-0で下した4節ホームゲームに感激したインザーギ監督は、試合後、乳児用ユニフォームを着せた昨秋誕生の愛息エドアルドを連れ、グラウンドで挨拶に臨んだ。“親から子へ”をテーマとするクラブソングにのせて、地元ファンの心はすでにインザーギとともにある。
「クラブも自分も再出発のシーズン。第一目標は残留だが、いい兆しはある。(プレーオフ出場の)望みはある」
アラフィフの“スーペルピッポ”は、すっかり手練の指導者だ。
グロッソはネスタが率いたチームを引き継いだ
2006年ドイツW杯で優勝したイタリア代表23人の大半が現役引退後、指導者になった。
彼らが通話アプリで優勝メンバーだけのチャットグループを共有しているのは有名な話だが、その場で監督の仕事の話をするのは御法度らしい。
「それぞれ戦っているリーグ戦が異なるから、軽はずみなことは言えない」と『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙インタビューで明かしたのは、フロジノーネの監督ファビオ・グロッソだ。チームはパルマと並んで6位タイにつけている。