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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
異色経歴から愛されスラッガーに! 巨人アダム・ウォーカーが語る「亀井さんとの守備練習と印象に残るプレー”ベスト3”」とは?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2022/10/06 17:20
来日1年目で打率.271、23本塁打、52打点の成績を残した巨人ウォカーが今季の印象に残る3つのプレーを語った
「亀井さんから教わったことは色々ある。特にフットワーク……踏み出した足のつま先をきちんと投げる方向に踏み出すことや、リリースポイントをしっかり作ること。今まで教わったことのなかったような技術的なことを、丁寧に全体的に教わって、それを反復したのが成長の秘訣、自分が成長した理由になったかなと思う。今もまだ改善しなければいけないところが一杯あるので、まだまだ自分なりに一生懸命、取り組んでいきたいと思っているけどね」
印象に残る3つの場面。1番目は…
不安だった守備面が少しずつ向上すると、持ち前の長打力も爆発した。
4月17日の阪神戦。4回2死一、二塁から甲子園球場の左中間に特大の来日1号3ランを放つと、5月は打率3割1厘で6本塁打、6月も打率3割3分で7本塁打と爆発して、打線の中軸を担うまでになった。
「1年間振り返ってみて、自分の中では3つほど印象に残っている場面がある。1番目はやっぱり甲子園での初ホームラン。NPBで初めて放ったホームランだったけど、それが甲子園球場という特別な雰囲気の中で打てたのも良かった。やっと日本の地で、しかも甲子園球場という場所で、ホームランを打てた。そういう特別な気持ちが詰まった本塁打だったよ」
ファンの喝采を浴びたあのプレー
ウォーカーは挑戦の1年を、まずこう振り返った。そして2番目に挙げたのは、亀井コーチと必死に取り組んだ守備でファンの喝采を浴びたあのプレーである。
6月28日の山形で行われた中日戦。1対1で迎えた4回2死一、二塁で、中日・石橋康太捕手の左前安打をワンバウンド捕球すると、右腕をひと振りした。ボールはノーバウンドで大城卓三捕手のミットに吸い込まれて、本塁を狙った二塁走者の阿部寿樹内野手を見事にタッチアウトに刺したのである。
「2番目のプレーは確か中日との地方開催の試合だったな。外野からのバックホームで二塁走者を本塁で封殺。あのプレーは亀井さんといままでやってきたことが、成果として表れた瞬間でした。ベンチに戻って亀井さんがものすごく喜んでくれた記憶もあって強く印象に残っている」
そして3つ目に挙げたのは、このパワースラッガーが本領を発揮した9月7日、東京ドームでのDeNA戦で放った一撃だ。