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外れクジを当たりと勘違い…ヤクルト・真中満“フライングガッツポーズ”の伏線となった1年前の後悔「今年は絶対に先に見てやろう」 

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byJIJI PRESS

posted2022/10/20 06:01

外れクジを当たりと勘違い…ヤクルト・真中満“フライングガッツポーズ”の伏線となった1年前の後悔「今年は絶対に先に見てやろう」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

阪神と競合した高山俊を引き当て、ガッツポーズを見せる真中満監督。しかし、手にしていたのはハズレくじだった。本人によって明かされる勘違いを引き起こした伏線とは…?

金本は中身をしっかりと確認することもなく席に

 だがNPBマークは当たり外れに関係なく印字されているものだ。“当たり”には「交渉権確定」の判が押されている。金本の手中にそれはあったが、真中の喜びように圧倒され、中身をしっかりと確認することもなく席に戻った。

 真中は促されるまま、テレビカメラに向けて高山にメッセージを送った。

「慣れ親しんだ神宮球場で一緒にプレーしましょう。がんばりましょう!」

 勘違いが明らかになるのはその直後、生中継の番組がCMに入った時のことだった。

うちの1位、原樹理になってるけどどうした?

 伏線は1年前のドラフトにあった。ヤクルトは済美高校の安樂智大を1位指名し、真中は楽天の立花陽三球団社長とクジを引き合っている。この時、素早い動作で抽選券を確認し、喜びを爆発させたのは立花のほうだった。遅れをとった真中は、中身を見るまでもなく外れを知らされた。

「そうそう、あれが悔しくて。『今年は絶対に先に見てやろう』と思ってたんです。『どうぞ』と言われる前から指をかけてね」

 2015年、14年ぶりのリーグ優勝を果たしたヤクルトは、2日後には日本シリーズが幕を開けるというタイミングでドラフトの日を迎えていた。チーム本隊は1、2戦の舞台である福岡に向けてのフライトを待つ羽田空港で、指揮官のガッツポーズを見た。

「みんなは『監督、高山を引けてよかったなあ』なんて言いながら飛行機に乗って、福岡で降りたら『あれ? うちの1位、原樹理になってるけどどうした?』ってなったらしいです(笑)」

【次ページ】 ぼくがルールを変えた。歴史に名前を刻めたと思います

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