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「やっぱり海外組か、と言われるのは本望ではない」谷口彰悟がE-1選手権で示した“国内組の矜持”とは? 舞台裏では主将として猛ゲキ
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2022/09/22 17:10
今年7月のE-1選手権で、森保一監督は谷口彰悟をキャプテンに任命。ハイレベルなパフォーマンスと優勝という結果でその期待に応えてみせた
「負けたら終わり」の状況で見せた圧巻のプレー
ミスが許されない、完璧な仕事を求められるポジションを見事にやりきった。中国戦だけではなく、続くサウジアラビア戦も完封の結果で、本大会への切符をぐっと手繰り寄せる働きぶりを見せている。水を漏らさない守りだけではなく、巧みなビルドアップと持ち運びで攻撃の起点を担う役目を果たし、日本代表の最終ラインに新たな風を吹き込んだ。
「負けたら終わりという状況でしたし、そんな中でピッチに立たせてもらったのは幸せでした。W杯に出るかどうかは大きな差。そういったものを背負って戦うプレッシャーもありますが、その喜びもある。いろんなものを感じながら、戦うことができたと思います」
30歳にしてアジア最終予選デビューとなったが、不安視された国際経験の少なさをまるで感じさせない圧巻の出来。そこには、指揮官の信頼を勝ち得るだけの何かもあったのだろう。何より1人の選手として、たくさんの刺激を得られたという。
「よりシビれるゲームを、もっとやりたいです」
だから、日本代表にも定着し続けたい。谷口彰悟の欲求は、実にシンプルだ。
「あれを経験できたのは、自分の成長につながったし、大きな財産になっています。成長したいと思うところに身を置けているのは、サッカー選手として幸せです。そこでもう1段階、自分を上げていく。そして代表でも定着してポジションを獲得したい。そう思ってやっています」
今年、チームと代表でキャプテンマークを託され続けた男が見据えているのは、さらに成長していく未知の自分の姿なのかもしれない。<#3へ続く>