オリンピックへの道BACK NUMBER
「明日からどうやって生きていけばいいんだろう」オグシオペア解散、潮田玲子が直面した引退への恐怖「あんなに苦しくてやめたいとなっていたのに…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2022/08/29 06:01
2008年に解散したオグシオペア。一時は引退も考えたという潮田はその後、なぜミックスダブルスでロンドン五輪を目指したのか
「ゼロから始めて、よくロンドンまで間に合ったな、あんなに下手くそだったのに勝負できるレベルまで来て、少ない出場枠を勝ち取ったというのが納得できる要因でした。大会へ向けても『思い切って闘いましょう、信太郎さん』、そんな感じでした」
オリンピックの翌月、ヨネックスオープンジャパンをもって引退することとなった。
「頑張ったー、とすがすがしい気持ちでした。もう悔いはなかったです」
ミックスダブルスと言えば、昨年の東京五輪で渡辺勇大・東野有紗組が銅メダルを獲得するなど世界に伍する存在に。その活躍をキャスターとして潮田は見てきた。
「2人にインタビューする度、気を遣ってくれているのかもしれないけれど『潮田さんと池田さんが道を切り拓いてくれていたからこそ』と言ってくれるんです。無駄なことはなかったなと実感しています」
Jリーガーの増嶋竜也と結婚、セカンドキャリアもスタート
引退と同じ月に、Jリーガーの増嶋竜也と結婚。新たな生活をスタートさせた潮田は、思い描いていたようにキャスター業を中心に仕事に打ち込んだ。
現在は2児の母でもある潮田は言う。
「子どもたちにはさんざん目標を持ちなさい、と言ってきましたが、それが簡単ではないこと、難しいことなんだというのも感じながらやってきました」
セカンドキャリアで直面した課題とは何だったのか。そして潮田はそれをどうクリアしてきたのか。
<つづく>
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