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「ショックで1週間動けなかった」女子バスケ、あの歴史的銀メダルの裏で…東京五輪メンバーからギリギリで落選した安間志織、1年後の告白
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byYuki Suenaga
posted2022/08/02 17:00
今年9月に行われるW杯へ向けたバスケ女子日本代表候補にも選ばれている安間志織
「具体的に何を言われたかは細かく記憶していませんが、自分はオリンピックに出られない現実を突きつけられました。悔しかったし、どうして、自分はあの時吹っ切れるくらいまでプレーしなかったんだろうと後悔がありました」
JAPANのユニフォームには手が届かなかった。合宿から離脱して自分の部屋に戻っても、何もする気が起きなかった。普段なら、オフの日は朝から活動を始め、部屋を整えたり、遊びに行ったりしていた。「動くのが安間志織」なのに、石のように固まっていた。
「1週間、何もしなかったのは生まれて初めてかもしれません。気力がまったく湧いてこなかったんです。ストレッチすら、しませんでした。そのうち、オリンピックが始まりましたが、正直、試合を見られるメンタルではありませんでした。よく、代表に入れなかったとしても、SNSで仲間を励ます選手っているじゃないですか。あれ、すごいと思います。私には、出来なかった」
ベッドに横になっている時間がいたずらに増えていった夏。
そんな安間のもとに、エージェントから連絡が入った。
ドイツからのオファーだった。
<続く>
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