熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
三都主アレサンドロの妻が明かす“結婚とブラジルでの子育て”「私に何も言わないで両親と」「長男とアレックス、お父さんも16歳で…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKazuaki Nishiyama
posted2022/07/03 11:03
清水時代の三都主アレサンドロ。妻・直美さんとのなれそめとは?
「いい人だね、と言っていました」
――つまり、ご両親からも彼との交際にゴーサインが出たわけですね。こういうこともあって、以後、交際が順調に進んだのでしょうか?
「そうですね。このことで、彼への信頼が深まりました」
ある日突然、「僕は日本人になりたい」と
――2001年、三都主は日本国籍を取得しました。日本の国籍を取ることについて、彼からどのような説明を受けたのですか?
「ある日突然、『僕は日本人になりたい』と言い出したんです。『どういうこと?』と聞くと、『日本が大好きだから、ずっとここに住みたい。これまでお世話になった日本という国、日本の人々に恩返しがしたい』と言っていました」
――2002年のW杯出場を経て、2003年に結婚したわけですね。以後、彼の移籍に伴って日本国内とオーストリアを転々とし、2015年以降、マリンガで生活をされています。三都主が直美さんと知り合ったのが22歳のときで、今、44歳ですから、彼の人生の半分を伴走してこられたことになります。この間、彼は変わりましたか?
「日本のことが大好きで、普通の日本人以上に日本人らしい。“日本男児”という感じがします。でも、人間としての本質的な部分はあまり変わっていないと思います。誠実で、小さなことでクヨクヨしないところなどですね」
――現在の彼の活動をどう思いますか?
「アカデミーとアルコの仕事でとても忙しそうにしていますが、よく頑張っていると思います。私も妻として、また母親として、これからも彼を支えていきたい」
――8歳から16歳まで2男2女に恵まれているわけですが、三都主の子供に対する躾は?
「かなり厳しいと思います。彼自身、ご両親から厳しい家庭教育を受けたようなので」
三代にわたって「16歳で描いたプロへの夢と道」
――長男のアラン君は、今年、日本の高校に入学し、寮で生活しながらサッカー部でプレーしていると聞きました。三都主が16歳で明徳義塾へ留学したのと同様、16歳でブラジルから日本へ渡りました。また、三都主の父ウィルソンさんもプロ選手になる夢を追って、16歳で生まれ故郷の田舎町を出ています。
「みんな、偶然にも16歳なんですね。16歳って、自立する年齢なのでしょうか。ただ、アランの場合は、日本人として、一般の入試を受けて高校に入りました。この点がアレックスとは違います。でも、3人ともプロ選手になる夢を抱き、16歳でそれまでの環境を飛び出した点は共通していますね。アランの性格は、アレックスそっくり。周囲から色々な刺激を受けながら、寮生活と学校生活を楽しんでいます」
――今後、アラン君は父親と比べられることがあると思います。