熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
三都主アレサンドロの妻が明かす“結婚とブラジルでの子育て”「私に何も言わないで両親と」「長男とアレックス、お父さんも16歳で…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKazuaki Nishiyama
posted2022/07/03 11:03
清水時代の三都主アレサンドロ。妻・直美さんとのなれそめとは?
「ノリのいい外国人、という感じ。それまで私はサッカーに興味がなく、彼がサッカー選手であることも知りませんでした」
それまでそんな人を見たことがなかったので、驚きました
――彼の人間性をどう思いましたか?
「いつも楽しそうにしていて、好奇心が旺盛。何か問題が起きたり困ったことがあっても、まるでそれを楽しんでいるような感じでした。それまでそんな人を見たことがなかったので、驚きました」
――かなり几帳面なところもありそうですね。
「そうなんですよ。たとえば、今、アルコの運営に携わっていて、試合のチケットなどを知人などに配ることがあります。そういう場合、普通ならクラブのスタッフに頼んで渡してもらうじゃないですか。でも、彼は『これまで自分がお世話になっている人だから、僕が自分で渡すべきだ』と言って、極力、自分で動くんですよ」
――なるほど。実は、昨日(6月12日)の試合前、三都主ご両親の家でインタビューをしていたら本人がやってきたのですが、両親や僕と話をする合間に繰り返し電話をかけて試合の告知をしてたんですよ。そういうことだったんですね。世界中のプロクラブで、そんなことをするCEOは彼しかいないと思いますが(笑)。
「まあ、そうでしょうね。几帳面と言うか、義理堅いと言うか……」
――話を戻しましょう。そして、2人の交際が始まったわけですね。
「ええ。両親にも、彼と交際していることを伝えました。母もサッカーに興味がなく、彼のことを知らなかったのですが、父は名前を知っていました」
ある日、仕事から帰ると彼が私の家にいて
――プロのスポーツ選手というと、一般的には派手なイメージがありますね。
「そうですね。当初、彼がどこまで真剣に私のことを考えてくれているのか、少し疑問に思っていました。ところが、ある日、ひどく驚かされたことがあり、考えが少し変わりました。
彼の家と私の実家は近かったのですが、ある日、仕事から帰ると彼が私の家にいて、両親と談笑していた。『何やってるの?』と思わず叫んだら、彼は『お帰り』と言って笑っているんです」
――一体、何が起きていたのでしょうか?
「彼は、自分が真剣な気持ちで交際していることを伝えるため、私には何も言わないで両親と会う約束をしていたのです。本当に驚きました」
――これは、非常に勇気がいる行為だと思います。もしご両親に受け入れてもらえなかったら、それで交際が終わりかねませんから。後で、ご両親は彼のことを何と言っていましたか?