“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
白血病を乗り越えて最愛の人と結婚式…J新潟DF早川史哉(28)の妻・真優さんが語る壮絶な道のりと今「どんなことがあっても彼を支える」
posted2022/06/27 06:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Fumiya&Mayu Hayakawa
2022年を迎えたばかりの1月上旬、都内にあるホテルで若い2人の新たな門出が盛大に祝われた。
まもなく28歳の誕生日を迎えようとしていた新郎は紺色のスーツを身に纏い、新婦は透き通るような純白のウェディングドレス姿で凛と立っている。
J2アルビレックス新潟のDF早川史哉と妻・真優さんの結婚披露宴の様子だ。チームメイトや旧友たちに囲まれて嬉しそうな早川を、真優さんは優しい瞳で見守っていた。
「呼べなかった人もたくさんいたのですが、これだけの人にいっぱい支えてもらったんだなと思ったし、それがあったからこそ史哉はここにいる。その隣に私がいることができるんだなと改めて思いました」(真優さん)
早川は新潟U-15に所属していた頃から年代別日本代表に選ばれるなど、将来を期待された選手の1人だった。高3時には南野拓実、植田直通、鈴木武蔵らと共にU-17W杯メキシコ大会に出場し、ベスト8進出に貢献している。トップチーム昇格を打診されるも、将来を見据えて筑波大に進学。卒業後に新潟に再び加わると、ルーキーイヤー開幕スタメンの座を獲得するなど順風満帆のキャリアをスタートさせた。
しかし、その直後の2016年5月に突如、病が襲う。医師の診断は「白血病」。そこから3年半にもわたる闘病生活を強いられることになった。
出会いは筑波大、元棒高跳びの選手
早川と真優さんの出会いは大学3年生のとき。早川は筑波大蹴球部で主軸を張り、真優さんは筑波大陸上部で棒高跳びの選手だった。共にインカレに出場するなど、スポーツ万能の2人はお互いの魅力に惹かれあい、交際をスタート。「スポーツ科学を学びたかった」と筑波大に進学し、文武両道を続けてきた真優さんは、早川との交際をきっかけにより栄養面に興味を持つようになったという。
「もともと運動栄養学は自分の競技の記録向上のために学ぼうと思って筑波大に進学しました。でも、史哉とお付き合いを始めたことで、彼のパフォーマンス向上のために実際にご飯を作るなど、彼の栄養のサポートをしたいと強く思うようになりました」