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“セルヒオ・ラモスが大炎上のCL脇固め事件”の雪辱ならずも… サラーが「来季も残るよ」とリバプール愛を貫くワケ

posted2022/06/12 11:00

 
“セルヒオ・ラモスが大炎上のCL脇固め事件”の雪辱ならずも… サラーが「来季も残るよ」とリバプール愛を貫くワケ<Number Web> photograph by Soccrates Images/Getty Images

21-22シーズンのCLファイナルでも先発したサラー

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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Soccrates Images/Getty Images

21-22シーズンのCLで準優勝したリバプール。4年前のレアル・マドリー戦で生まれた“2つの因縁”についての記事を配信します(全2回/#2も)

「正直、マドリーと対戦したいね」

 UEFAチャンピオンズリーグ準決勝のビジャレアル戦に勝利しファイナル進出を決めたあと、リバプールのエース、モハメド・サラーはこう答えた。

 3季ぶりに決勝の舞台への進出を決めたリバプールにとって次の話題は、翌日にベルナベウで控えるレアル・マドリー vs マンチェスター・Cの結果だった。プレミアリーグでタイトルレースを演じたシティとビッグイヤーを争うのか、17-18シーズンのファイナルで敗れたレアルと再戦するのか。どちらにしても興味深いカードになるはずだった。

 BTスポーツの試合後のインタビューでリオ・ファーディナンドに「どっちと対戦したい?」と聞かれたエジプト人FWは少し考えた後、マドリーと答えたのだ。

 そして翌日、レアルは史上稀に見る奇跡的な逆転劇でシティを退け、サラーの願い通りファイナルで再戦することになった。

「あの試合は、ただただがっかりして落ち込んだよ」

 この舞台で、この相手と再戦することはサラーにとって特別な意味を持った。

25分、あのアクシデントが……

 2018年5月26日、ビッグイヤーはウクライナのキーウにあった。この日タイトルをかけて戦ったのがリバプールとレアル・マドリーである。

 サラーはこのシーズン、プレミアリーグで歴代最多となる32ゴールを挙げての得点王に輝き、CLでは準決勝で古巣ローマから2ゴール。レッズの大エースは絶好調のままにキーウに乗り込み、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノとともに3トップを形成した。

 いつもの右ウイングから得点の機会を窺っていたサラーだが、25分にアクシデントに見舞われる。

 ピッチ中央でボールキープをしていた際に、セルヒオ・ラモスともつれて倒れこむ。ラモスは自身の左腕でサラーの右腕を抱え込むようにして倒れており、サラーは踏ん張った反動で左肩からピッチに叩きつけられた。

 苦悶の表情を見せながら一度はピッチに戻ったものの、すでに彼の肩はプレーが続行できる状態にはなかった。再び座り込んだ時には、11番の目は涙で覆われていた。

 わずか30分あまりでエースがピッチから退いた後、スコアは急激に動き出す。結果は1-3の敗戦。リバプールにとっても、サラーにとっても不完全燃焼のままファイナルは幕を閉じた。

セルヒオ・ラモスに対して「1270億円訴訟」が

 CL決勝から一夜明けて試合展開のあらゆる場面が議論されるのは毎年恒例だが、この年とりわけ注目を集めたのが25分のシーンだった。リバプールの選手たちがこれについて多くを語ることはなかったが、周囲が黙っていなかった。

【次ページ】 セルヒオ・ラモスが火に油を注いだワケ

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