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“5.4億円級の守田英正”に強豪移籍の噂… 同等以上の成長率、市場評価アップした日本人は?〈ポルトガル勢の活躍度をA~C評価〉 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGualter Fatia/Getty Images

posted2022/05/25 11:02

“5.4億円級の守田英正”に強豪移籍の噂… 同等以上の成長率、市場評価アップした日本人は?〈ポルトガル勢の活躍度をA~C評価〉<Number Web> photograph by Gualter Fatia/Getty Images

ポルトガルで進境著しい守田英正。スポルティング移籍の噂もある

守田と同等以上の成長度を見せた選手って誰?

<FW藤本寛也(22、ジウ・ヴィセンテ、東京ヴェルディから期限付き移籍):A
リーグ32試合3得点2アシスト、カップ3試合1アシスト
計35試合(2615分)3得点3アシスト
市場価格:70万ユーロ(約9400万円)→200万ユーロ(約2.7億円)

 “成長率”で言えば、守田以上かもしれない。

 左足から絶妙のパスを繰り出すゲームメーカーで、スペースへ走り込んで自らゴールも狙う。2020年8月、東京Vから1年間の予定で期限付き移籍。リーグ戦27試合に出場して1得点3アシストを記録した。

 この唯一の得点がスポルティング戦で左斜め後方からのクロスに飛び込んで左足ボレーで叩き込んだビューティフル・ゴールで、クラブが彼の存在能力を高く評価して東京Vに移籍期間の延長を願い出た。 

 今季は背番号10を担い、トップ下、2列目右サイドなどで躍動。リーグ戦で、出場停止の2試合を除く32試合すべてに先発し、攻撃の軸としてチームの5位躍進に貢献した。なおポルティモネンセのポンテ副会長も、「カンヤはすごく伸びた」と驚いていた。

 東京Vからの期限付き移籍は6月末で満了するが、来季もジウ・ヴィセンテでプレーするのか、東京Vへ戻るのか、あるいは欧州の他クラブへ移るのか――。

 来季、さらなる成長を遂げるようなら、日本代表に初招集される可能性が高い。

田川はJリーグ時代よりも得点率が4倍近くなった

<FW田川亨介(23、FC東京から期限付き移籍)>:A-
リーグ12試合(480分)5得点
市場価格:50万ユーロ(約6700万円)→65万ユーロ(約8700万円)

 屈強で、スペースへタイミングよく飛び込み、思い切ったシュートを放つストライカーだ。

 今年1月、サンタクララに加わり、2月のボアヴィスタ戦で後半途中から初出場。その直後、右後方からのシュート性のパスにタイミング良く飛び込んで左足を合わせて初得点。チームに勝利をもたらした。

 しばらく途中出場が続いたが、4月10日、エストリル戦で初先発して2点目。以後、先発で起用されるようになり、エストリル戦を含む3試合で4得点と爆発した。

 シーズン途中の移籍でありながらすぐにポルトガルのプレースタイルと生活に適応し、控えから始めてポジションを勝ち取ったことは、潜在能力の高さと精神的な逞しさの証だろう。

 サンタクララでの90分あたりの得点率は0.94で、Jリーグ時代(2017年から18年までサガン鳥栖、2019年から21年までFC東京)の得点率0.24の4倍近い。短期間にこれほど成長した選手は少ないのではないか。来季もサンタクララでプレーする見込みで、さらなる活躍が楽しみだ。

【次ページ】 ポルティモネンセで復活しつつある中島翔哉の評価は……

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