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「クボ、ユニホームお願い」来季のレアル去就報道が出てもマジョルカで愛される久保建英…「残留か降格の最終節」で輝くか〈撮影者の視点〉
posted2022/05/21 06:00
text by
中島大介Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。シーズン最終盤を迎える中、久保建英とマジョルカは残留をかけてギリギリの戦いが続いている。来季のレアル・マドリー復帰の可能性など去就報道も現地で出る中、久保らはピッチでどのように戦っているのか。現場の空気とともに臨場感たっぷりにお届けする(外部サイトでご覧の方は関連記事などの「新着写真」からプレー写真をご覧になれます)。
格上セビージャ相手にも粘りを見せた
5月11日にリーガ36節セビージャvsマジョルカ戦、そして5月15日、37節マジョルカvsラージョ・バジェカーノ戦を撮影しました。
グラナダとの残留をかけた直接対決に敗れたマジョルカにとって、リーガ終了までの3節、負けることの許されない状況に追い込まれて臨んだ2戦でした。
まずは敵地サンチェス・ピスファンに乗り込んでの対セビージャ戦。
相手は、来季CL出場権を手中に掴みかけている格上。マジョルカとしては、とにかく引き分けを狙う試合でした。それは先発の布陣にも現れ、5バックが取られ、攻撃面での期待が大きい久保は、サブメンバーとなりました。
また攻撃の中心、チームの支柱として先発出場が多かったダニ・ロドリゲスもベンチからのスタートとなりました。そのダニやアブダンのベテラン勢が、試合開始直後からベンチ前に出て、チームを鼓舞する姿は印象的でした。
さらに監督のアギーレも最前線に出て、激しく指示する姿が撮影できました。
試合は圧倒的にセビージャがボールを支配し、攻勢に出る時間が長く続きました。しかしマジョルカの5人のDF陣だけでなく、この試合で久しぶりに先発復帰した36歳GKマノロ・レイナの活躍もあり、両チーム無得点のまま試合は進みます。
守備一辺倒だったチームに久保が流れをもたらした
そして迎えた試合終盤の74分に、久保とダニ・ロドリゲスが交代で出場となりました。久保は、交代のアンヘルのポジションにそのまま入り、2トップの一角でプレーすることに。
久保は投入直後にバタグリアから受けたパスをドリブルに持ち込み、相手にイエローカードを誘発。パスを出したバタグリアと手を合わせます。
自身はカードを受けてしまったものの、ディフェンス面でも気持ちの入ったプレーを見せ、前線から自陣深くまで幅広いエリアでプレーしていました。
さらに久保は中盤からのパスを相手DFラインの裏に抜け出して受け、ペナルティーエリア内に侵入を試み大きなチャンスを作りかけるなど、守備一辺倒だったチームに、攻撃の時間帯をもたらしました。
ゲーム終盤になると格下相手に勝利したいセビージャと、引き分けで終わらせたいマジョルカとの激しい戦いになりましたが、ゲームはスコアレスで終了。格上とのドローにマジョルカの選手たちはは安堵の表情を浮かべていました。