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「ああ、君が取材に来てくれた日本人記者か」中島翔哉や中村航輔が奮闘、元浦和ポンテが副会長…“異色”のポルティモネンセに密着潜入
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGlobal Imagens/AFLO
posted2022/05/19 11:01
ポルティモネンセのホームゲームでの中島翔哉。中島や中村航輔が所属するクラブの実情とは?
午後3時半、試合が始まった。
ポルティモネンセのフォーメーションは4-4-1-1で、背番号10を付ける中島はセカンドストライカーとしてトップから中盤まで広く動き回る。パスを受けると、ダイレクトで叩いたり、あるいは巧みなトラップからの鋭いドリブルでマーカーを外して決定機を狙う。
前半27分、CBからパスを受けたMFが右足で強烈なミドルシュートを放つ。右へ外れたが、スタンドから拍手が起きる。40分、ファマリコンは敵陣左からのスローインを頭でそらし、ゴール前でフリーになっていた選手が頭で狙う。これがクロスバーに当たり、その跳ね返りをポルティモネンセのブラジル人GKがキャッチした。
その直後、ポルティモネンセが右サイドを崩し、クロス。これがゴール前ニアサイドへ走り込んだ中島の後方へ流れ、中島が右足のヒールで触れてわずかにコースが変わった。ファーサイドへ飛び込んだFWがスライディングしながら右足でシュート。これがゴールポストに当たって跳ね返ったところを頭で押し込んだ。
貴重な勝ち点3を手にして……
地元チームの先制点に、スタンドから大きな歓声が上がった。
後半、ポルティモネンセは中島の組み立てなどからチャンスを作るが、追加点をあげるには至らない。中島は後半38分に交代。スタンドから拍手を受けた。
その後、ポルティモネンセはファマリコンの反撃を辛うじて凌ぎ切り、1-0で勝利を収めた。残留へ向けて貴重な勝ち点3を手にしたとあって、クラブ関係者は皆、大喜びだった。
チームが勝つと、関係者の機嫌が良くなり、口が滑らかになる。これは取材する側にとっても好都合だ。翌日からの本格的な取材が楽しみになった。
<#2につづく>
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