しかし開幕直前、3月22日に掛布雅之が酒気帯び運転の現行犯で逮捕され、さらに27日にはバースがスピード違反で検挙されるなど、チームの出鼻をくじくような事件が起こった。

　チーム内の空気も悪かったのか、6月16日には竹之内雅史打撃コーチが退団するなど徐々に解体し、浮上することなくシーズンを終えた。なお吉田義男監督は解任された。

　今年の低迷も「戦力」「戦術」より「空気」が原因ではないかと思えてならない。矢野燿大監督の「今季限りでの退任」宣言が、ネガティブに作用しているのだろうか。

©Hideki Sugiyama

　1987年の阪神低迷のときには「PL学園より弱いのと違うか」と言われ、今年も「大阪桐蔭に負けるやろ」と一部では揶揄されている。来季以降のことを考えても、阪神は思い切った若手起用などで、「明るい兆し」を作っていく必要があるのだろう。

NPB第4週の成績 2022年4月18日～4月24日

〇セ・リーグ
巨人6試5勝1敗0分 率.833
DeNA6試3勝3敗0分 率.500
広島6試3勝3敗0分 率.500
ヤクルト5試2勝3敗0分 率.400
中日5試2勝3敗0分 率.400
阪神6試2勝4敗0分 率.333

　巨人が快調、通算でも広島に2差をつけて首位に立った。阪神と巨人の差は12.5まで広がっている。

・個人打撃成績10傑 ※RCは安打、本塁打、盗塁、三振、四死球など打撃の総合指標
佐藤輝明（神）22打9安2本4点2盗 率.409 RC7.84
坂本勇人（巨）23打8安1本4点 率.348 RC5.72
岡本和真（巨）23打8安2本6点 率.348 RC5.33
西川龍馬（広）24打8安2本4点1盗 率.333 RC5.08
大田泰示（De）25打9安1本3点 率.360 RC4.75
ウォーカー（巨）23打7安2本6点1盗 率.304 RC4.69
丸佳浩（巨）20打6安1本1点1盗 率.300 RC4.56
末包昇大（広）14打8安0本3点 率.571 RC4.2
ソト（De）18打6安1本2点 率.333 RC4.15
坂倉将吾（広）22打6安1本6点 率.273 RC4.11

　阪神の佐藤輝明は2週連続でリーグトップタイの2本塁打、3二塁打と気を吐いているものの、4打点。打線が機能しきっていない。佐藤の2盗塁は、同僚の熊谷敬宥とともにリーグ1位。打点は巨人の岡本和真、ウォーカー、広島の坂倉将吾の6がトップ。

・個人投手成績10傑 ※PRはリーグ防御率に基づく総合指標
青柳晃洋（神）1登1勝9回 責0率0.00PR3.75
シューメーカー（巨）1登1勝9回 責0.00率0PR3.75
小川一平（神）1登7回 責0率0.00PR2.92
森下暢仁（広）1登1勝7回 責0率0.00PR2.92
東克樹（De）1登7回 責0率0.00PR2.92
石川雅規（ヤ）1登1勝6回 責0率0.00PR2.50
山本拓実（中）3登1勝6回 責0率0.00PR2.50
大瀬良大地（広）1登1勝8.1回 責1率1.08PR2.47
戸郷翔征（巨）1登1勝8回 責1率1.13PR2.33
宮國椋丞（De）2登5回 責0率0.00PR2.08

　阪神の青柳は4月22日のヤクルト戦で完封勝利、巨人の新外国人シューメーカーは4月23日の中日戦で完封勝利をマークした。ヤクルトの石川雅規は4月23日の阪神戦で6回零封して通算178勝目、史上3人目の21年連続勝利。救援では巨人の大勢、中日のライデル・マルティネスの2セーブ、DeNAのエスコバーが3ホールドを挙げた。

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