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ボール支配率は驚異の70%超… 中村憲剛が語るスペイン攻略&GL突破のポイント「本音では自分たちが勝ち上がると思っているはず」<W杯対戦国>
posted2022/04/06 17:03
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
中村憲剛氏によるカタールW杯組合せ分析の後編は、スペイン戦に焦点を当てる。相手にボールを握られる前提で試合を進めていくなかで、いかにして突破口を開くのか。21年の東京五輪よりもさらに強力なスペインに、日本はいかにして立ち向かうべきなのか──。(全2回の2回目/ドイツ編へ)
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スペイン戦はグループステージの3戦目です。前2試合で両チームが勝ち点をいくつ取っているのかによって、この試合が持つ意味と試合に臨む姿勢が変わってきます。
たとえば、日本が第1戦でドイツと引き分け、第2戦で大陸間プレーオフの勝者に勝って3戦目を迎えたとします。その場合、ドイツは第2戦でスペインに勝っても勝ち点は「4」です。スペインとも引き分けていたら「2」です。
スペインは第1戦で大陸間プレーオフの勝者に勝ち、第2戦に勝つと「6」になります。その場合はドイツが1分1敗の勝ち点「1」で最終戦を迎えることになる。2試合を終えてドイツに勝ち点3差をつけている日本は、スペイン戦は引き分けでもOKということになります。様々な可能性があるなかで、試合中にも駆け引きが必要になるかもしれない。第3戦とはそういうものです。
圧倒的なボール支配率を誇るスペイン
改めて言うまでもなく、スペインは難敵です。
ドイツは複数のシステムで戦うことができますが、スペインは基本的には4-3-3で、そこから別のシステムを用いることはほぼありません。ルイス・エンリケ監督が指揮するスペインは、「ボールを持つチームが勝つ」という王道を往くチームです。
理想を言えば、自分たちでボールを握りたい。しかし、スペイン相手には難しいかもしれません。
それは、彼らが見せてきた支配率に起因します。彼らのスタッツを見ると、率直に驚きを隠せません。ボール支配率は、どの試合ものきなみ70%以上なのです! 60%を超えればボールを握っている印象がありますが、それをはるかに上回るのです。
どの国と対戦しても主導権を握れるのは間違いなく、必然的に対戦相手はボールを持てない展開になり、そのぶん守備に時間が割かれます。対戦相手が守備に集中せざるを得ないためか、スペインは大量得点の試合があまり多くありません。ゴールラッシュの試合なら、ドイツのほうが多いでしょう。東京五輪での対戦は記憶に新しいですが、あれよりもさらにレベルの高いチームと、カタールW杯で対戦することになります。