スカウト就任が決まった岡崎に、牧田は「一緒にチームを強くしてくれるか」と伝えた。

「どういった視点で彼が選手を見て評価するのかを、楽しみにしています。僕は細かいですから、うざいと思いますけどね（笑）。『365日連絡してこい』と言っていますし。

　大輔には、担当スカウトの僕にやってもらったことで、良かった部分は盗んで、悪いところは反面教師にしろと伝えています。『牧田さん、あのタイミングの電話はナンセンスですわ』って思ったんなら、それはお前はしなくていいよと（笑）。大輔は大輔の色でやればいい。きっと熱く、いいスカウトマンになってくれるはずです。『10年後にはオレを抜いてくれ』と伝えています」

　1月、岡崎は担当する北関東のチームへの挨拶回りから始動した。浦和学院高など、高校時代のライバル校にも足を運ぶ。

「浦学の地に足を踏み入れたことがなかったので、すごく新鮮でした」と笑う。

　牧田からは、「“いい選手”じゃなくて、大輔が“惚れた選手”を教えてくれ」と言われている。岡崎はそれを肝に銘じる。

「もちろんいい選手はたくさんいるんですけど、その中で、なんというか言葉では言い表せないもの、スタイルであったり、姿勢であったり……。そういうものを感じて、選手に惚れること、というのを今、頭に置きながら見ています」

©︎Noriko Yonemushi

　第二の野球人生を歩み始めた岡崎が、澄みきった目で今日もグラウンドを見つめている。彼が惚れるのは、一体どんな選手だろうか。