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浦和ユース同級生の社長から「ウガ、一緒に上を目指さないか?」宇賀神友弥が13年目の初移籍で「J3岐阜」を選んだ理由
posted2022/03/18 17:02
text by
イワモトアキトAkito Iwamoto
photograph by
Akito Iwamoto
「緑って着たことないから、どうですか、イケてますか?」
岐阜県岐阜市、田畑に囲まれた市営グラウンドで宇賀神友弥は真新しいユニフォームに袖を通すと、カメラに向かって胸を張った。
背番号は30、浦和レッズで背負ってきた3番に、ゼロからのスタートの思いを込めて選んだ。新しい挑戦が始まる。「自分を試すためにここに来ました」と話す表情からは浦和時代と変わらない真っ赤な闘志が伝わってきた。
昨年末、妻にFC岐阜移籍への思いを伝えた。プロとして12年間プレーした浦和を退団、J1を含め複数のチームからオファーが届く中での決断だった。妻からは「なんでJ3なの、どうして岐阜なの?」と問われた。
「自分が追い求めてるものがここにあるんじゃないかな、そう感じて。選手としてレベルの高い環境でプレーしていくという意味ではJ1でプレーをすることが大切だと思います。その中でJ1優勝を狙えるチームでプレーしたいと。ただ、思うようなオファーは届かなかった。
じゃあ自分は何を目指すのか。そう考えた時に『昇格』という明確な目標にチャレンジし、達成できるクラブでプレーしたい。優勝、そして昇格。自分の残りのサッカー選手人生の中で、その目標をかなえられるのはFC岐阜なんじゃないかなって」
初めてのJ3、知らない土地での挑戦。思いを伝えると「いいんじゃない。あなたがそう思うならそれがいいと思う」と妻は背中を押してくれた。
宇賀神に声をかけた旧友・小松社長
「ウガ、岐阜で一緒に上を目指さないか?」
浦和での契約満了の一報を知り、FC岐阜社長の小松裕志は誰よりも早く動いた。浦和レッズユース時代の同級生。ともにボールを追いかけた友として、いちクラブの社長として、宇賀神の獲得に動いた。