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武豊とルメールが感服した“キタサンブラックとサトノダイヤモンドのスゴさ”「ダートでもマイルでも戦える」「頭がいい馬です」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byYasuo Ito/AFLO
posted2022/03/08 17:00
2016年有馬記念のキタサンブラックとサトノダイヤモンド
父はディープインパクトの全兄ブラックタイド
<名言2>
キタサンブラックは正直、走れと言われたらどこでも走る気がします。ダートでもやれるだろうし、マイルでも戦えると思う。
(武豊/Number917・918号 2016年12月15日発売)
◇解説◇
キタサンブラックはデビュー前、サトノダイヤモンドと対照的だった。父はディープインパクトの全兄ブラックタイド。生産場のヤナガワ牧場と古くからの付き合いがあり、「キタサン」の冠名で知られる歌手の北島三郎氏が購入したが、前述したサトノダイヤモンドはもちろん、数々のGIを獲得したディープインパクト(7350万円)やアーモンドアイ(3000万円)と比べても、その額は格安だったとされる。
キタサンブラックは3歳初頭にデビューし、スプリングSに勝利。デビュー時点ではクラシック登録をしていなかったものの、北島氏が追加登録料を払って皐月賞3着に入ったことも話題になった。日本ダービーでは14着に終わったが、夏を越えてキタサンブラックはいよいよ本格化。セントライト記念を制した勢いのまま菊花賞を制してGIホースとなり、初の古馬との対決となった有馬記念でも3着と奮戦したのだ。
そして4歳となった2016年、主戦騎手に武豊を迎えてから、さらなる強さが引き出される。産経大阪杯の2着を経て挑んだ天皇賞(春)を制すると、宝塚記念3着、京都大賞典1着、そしてジャパンカップで絶妙の逃げを見せてGI3勝目。有馬記念こそサトノダイヤモンドの2着に終わったものの、この年の全6レースで3着以内に入る抜群の安定感を見せたのだ。
武豊は「総合力が高いんです。何か一つが飛びぬけているわけではなくて」と魅力を語るとともに、このように語っていたこともある。
「安田記念にいったらめっちゃ走りそうな気がしますしね。むしろ適性がわからないぐらいです」
キタサンブラックは翌2017年、GIに昇格した大阪杯、そして天皇賞(秋)と2000mのGIレースも制覇している。「マイルでも戦える」という名手の言葉は、決して大げさではなかったのかもしれない。
名手ルメールのキタサン評「跳びが大きいから……」
<名言3>
キタサンは強い。それに体がすごくデカくて、かっこいい。
(クリストフ・ルメール/Number937号 2017年10月12日発売)
◇解説◇
当代の名手ルメールはサトノダイヤモンドを筆頭に、キタサンブラックと戦う立場にいた。そんな彼をしても、キタサンブラックの強さには感服していたようだ。