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サンデーサイレンスでもディープインパクトでもなく…《日本競馬史上初の父子三代リーディング》種牡馬キズナの成功を示す“73.9%” 父ディープとの違い

posted2025/10/24 17:01

 
サンデーサイレンスでもディープインパクトでもなく…《日本競馬史上初の父子三代リーディング》種牡馬キズナの成功を示す“73.9%” 父ディープとの違い<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

2013年に日本ダービーを制したキズナ

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江面弘也

江面弘也Koya Ezura

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Keiji Ishikawa

 世界中に活躍馬を送り出したディープインパクトの急死から6年。その正統後継馬となったのは、2013年のダービー馬だった。父子で共通するのは驚異的な産駒の勝ち上がり率の高さ。一方で、キズナには「ディープの仔と思えない」ほどのある特長があった。
 発売中のNumber1129号に掲載の[ディープの後継として]キズナ「父と似て非なるもの」より内容を一部抜粋してお届けします。

日本競馬史上初の父子三代の偉業

 昨年、キズナは、祖父サンデーサイレンス、父ディープインパクトにつづく父子三代のリーディングサイアーになった。日本競馬史上はじめてのことだ。

 戦前戦後にはトウルヌソルとクモハタの例はあったが、輸入種牡馬が全盛となった1960年代以降は、父子二代のリーディングサイアーなど遠い遠い夢の物語だった。歴代の名種牡馬たち、ヒンドスタンもチャイナロックもテスコボーイもパーソロンも、それどころかノーザンテーストも、チャンピオンサイアーをつくれなかった。

 その流れが大きく変わったのは2000年代だった。サンデーサイレンス産駒のアグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ディープインパクトがリーディングサイアーとなり、キングカメハメハとドゥラメンテがつづき、キズナがついに父子三代の偉業を成し遂げたのだ。社台スタリオンステーションの場長、徳武英介は感慨深げにいう。

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「日本産馬が二代つづいてのチャンピオンサイアーもすごいし、日本で走った馬の仔がチャンピオンサイアーになって、GI馬をだすというのがやっとできたかなと」

「ディープインパクトの76.2%とほぼ変わらない」

 種牡馬キズナのすばらしさは数字に表れている。産駒の勝ち上がり率の高さである。徳武が資料を見ながらいった。

「3歳馬がまだこれから勝ってくるけど、勝ち上がり率が73.9%という数字がもうある。ディープインパクトの76.2%とほぼ変わらない。7割を超えるって、すごい数字なんです。65%でも恥ずかしくない。ノーザンテーストでも70.6%でしたから、キズナはもうその仲間にはいっちゃった」

 最初の産駒が走りだして6年、キズナは偉大な名種牡馬と比べられる数字を残しているのだが、その要因はどこにあるのか。総合力が高いのは当然だが、産駒たちを見て感じるのは活躍の幅の広さである。クラシック最後の一冠、菊花賞に向けて、トライアルの神戸新聞杯をクビ差で制したエリキングは、堂々と有力候補に名乗りをあげた。そして、芝はもちろん、ダートでもよく走り、短距離に強い馬もいる。タフで、長く元気に走っている。徳武は「障害まで勝っちゃうし」と笑い、つづけた。

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