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武豊とルメールが感服した“キタサンブラックとサトノダイヤモンドのスゴさ”「ダートでもマイルでも戦える」「頭がいい馬です」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byYasuo Ito/AFLO
posted2022/03/08 17:00
2016年有馬記念のキタサンブラックとサトノダイヤモンド
2017年、秋競馬を控えて武豊とルメールは対談に臨んだ。
「私が乗ったサトノダイヤモンドとユタカさんが乗ったキタサンブラックは有馬記念で初めて戦いましたね。去年の年末、私は戸崎(圭太)さんとリーディング争いをしていて。結局1勝差でリーディングを獲られちゃったけど、私は最後に有馬記念が獲れて嬉しかった」とルメールが語れば、武豊が「(有馬に負けて)悲しかった(笑)。キタサンブラックは、今年も有馬記念に出る予定だから、今年こそ勝ちたいね」と話すなど、和やかなムードの中で実施されたが、興味深かったのはルメールのキタサンブラック評だ。
「ポテンシャルがめっちゃ高いから、どの距離、どの競馬場もこなすけど、跳び(歩幅)が大きいから広い競馬場の方がいいと思います」
武豊も「去年のジャパンカップの時もすごく強かったしね」と返答している。この対談後に行われた天皇賞(秋)で、キタサンブラックは出遅れるアクシデントがありながらも、不良馬場のコースを巧みに走り抜ける武豊の“神騎乗”もあり、この年の天皇賞春・秋連覇を成し遂げた。
「ラジオでは『まつり』を歌いますと言いましたけど」
<名言4>
北島三郎さんの横でしろうとの僕が歌えます? 僕はそんなKYじゃないですよ(笑)。
(武豊/Number917・918号 2016年12月15日発売)
◇解説◇
キタサンブラックと言えばオーナーであるサブちゃんこと北島三郎が、自らの代表曲「まつり」を熱唱するのがお約束となっていた。
2016年、天皇賞(春)の表彰式で北島から「武くんも歌います」と無茶振りされたことを受け、出演したラジオで有馬記念を勝ったら「まつり」を歌うと冗談めかして宣言したのだが……。
「ラジオでは(『まつり』を)歌いますと言いましたけど、さすがにそれは……、どうだろう」
その年の有馬記念はサトノダイヤモンドに敗れたものの、引退レースとなった2017年の有馬記念は得意の逃げ策でGI通算7勝目、有終の美を飾った。全レース終了後に行われた引退セレモニーでサブちゃんが熱唱、武豊と3歳時の主戦だった北村宏司が法被姿で手拍子し、まさにハッピーエンドとなった。