また、この話を訊いた時点でDeNAの開幕投手は決まっていない。練習試合やオープン戦で好投している大貫は、三浦大輔監督いわく「開幕戦の有力候補のひとり」である。

　今年、務める務めない関係なく、ひとりのピッチャーとして大貫は、開幕投手についてどのように思っているのか。

開幕投手への想い

「想いは、ありますね。スタートを任されるピッチャーですし、チーム内での役割はかなり大きい。スタッフからはもちろん、チームメイトから信用されていないと選ばれないと思うし、なおかつ1年間ローテーションをまわりつづける責任も伴います。いつかはやってみたいなって。12人しか立てないマウンドですし、そういう意味ではすごい経験ができるわけですから、素直にうらやましいなって思いますね」

　果たして大貫はこの春、栄えある貴重な機会を得ることはできるのだろうか。

　目指すは3年連続チーム勝ち頭。強い心を携えた、ストレートで押し込む力も身に付けつつある“柔”と“剛”を宿すピッチング。ローテの一角として大貫の活躍がチームにとってキーポイントになることは間違いないだろう。

「浮き沈みはあると思いますが、高いレベルで浮き沈みできるようにクオリティを維持しながら1年間、シーズンをまっとうしたいですね。あと、まだ規定投球回をクリアしたことがないので目標にしたいし、達成するためには結果がついてこないといけないのでQS（クオリティスタート）にはこだわりたいと思います」

　言葉にぐっと力がこもる。地元横浜が生んだオールラウンダーの魅惑の投球術に今季は、心ゆくまで酔ってみたい。