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久保建英が“不可解判定”に怒った! ラフプレーに抗議→イエローも…「バモス!クボ」とファンが信頼する理由〈撮影者の視点〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/03/02 17:01
審判の判定に苦笑する久保建英。90分間を通してみるとゴール、アシストこそなかったものの、クオリティは高かった
その後も久保を中心に攻撃を仕掛けるマジョルカに対し、バレンシア守備陣は先制点のパウリスタを中心に、身体を投げ打って守り切ります。
ガルシア監督は、62分、71分、77分と次々と攻撃的な交代を仕掛けます。
絶好の位置でFKを獲得した際には、途中交代のイ・ガンインと久保がキッカーを巡り押し合いになるような場面も見られました。
また後半も引き続き判定に納得のいかないマジョルカは、85分にガルシア監督が判定への異議で一発退場となってしまいました。
ゴール裏から「Take! Take」「バモス Kubo」
88分には途中出場した元バルサのモリバが久保を倒してイエローカード。この試合、久保に対してのファウルだけで3枚ものカードが出されました。モリバはこの直後にもカードを受け、アディショナルタイムに退場となりました。
獲得したFKは久保がセット。大きく息を吹き出し、シュートしましたが、枠を捉えることはできませんでした。
最後まで攻撃の手を緩めることなく、左サイドにも回ってクロスを放り込みますが、ゴールという結果にはたどり着けず、大きく空を見上げました。ゴール裏から「Take! Take」「バモス Kubo」というような祈りに近い叫びも聞こえる中、攻め続けましたが0-1でタイムアップ、マジョルカは勝利することができませんでした。
試合後にもピッチ上では両チームの選手、スタッフが揉めることになるほど、マジョルカにとっては後味の悪い敗戦でしたが、最後まで戦い抜いた選手にはスタンドから拍手が送られ、選手もそれに応えました。
敗戦はしましたが、久保がボールに関わる機会も多く、撮影枚数が多く、写真をセレクトするという作業が大変になってしまいうれしい悲鳴でした。ただそれと同時に、ビルバオ戦のような勝利に直結するプレー後の喜びのようなシーンも撮れればなと思います。この後は中2日でのソシエダ戦が控えます。監督不在の中、選手の起用にも注目です。
なお、翌27日に撮影したバルサvsビルバオ戦では、キックオフ前にウクライナ-ロシア情勢を鑑みて「STOP WAR」というボードの前で撮影が行われました。スペインサッカー界としてもこの情勢には注視しています。