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久保建英が“不可解判定”に怒った! ラフプレーに抗議→イエローも…「バモス!クボ」とファンが信頼する理由〈撮影者の視点〉
posted2022/03/02 17:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。バレンシア戦でゴール、アシストこそなかったが抜群のプレーを見せた久保建英について、現場の空気を臨場感たっぷりにお届けする。
負傷離脱のガラレタを励ますTシャツと弾幕
2月26日、リーガ26節マジョルカvsバレンシア戦の撮影に赴きました。晴れ間の覗く14時キックオフの試合でしたが、吹く風が冷たく寒の戻りを感じさせる天候でした。
試合前にはスタジアム併設のマジョルカフェで一服。椅子には現役選手や元選手の名前と背番号が入っており、TAKEシートも発見できました。
前節ベティス戦を敗戦のマジョルカは、負傷のガラレッタに代わってサンチェスを起用。それ以外は久保含めて変更がありませんでした。
試合前には左膝靭帯負傷のガラレッタを励ます弾幕が張られ、また入場時の選手もオリジナルTシャツを着用しました。また、イ・ガンインが前所属先であるバレンシア選手と交流する場面も見られました。
試合は開始早々の4分、クリアボールを拾ったバレンシアDFパウリスタのロングシュートがゴール隅に決まりました。マジョルカから見るとシュートはないと感じていたのか、プレスが遅れた一瞬の隙を突かれたシュートは、GKにもどうすることができない見事なシュートでした。喜びのバレンシアイレブンの表情にも驚きが混ざります。それとは対照的に連敗を避けたいマジョルカにとっては痛いスタート。
しかし、その後はマジョルカペースで試合は展開しました。特にこの試合でも右サイドで積極的に仕掛ける久保にはマークが激しくなりました。ドリブルを仕掛ける久保の足元にフォーカスすると、直前の接触で靴紐が解けていました。“靴紐が結べない疑惑”があるバルサのガビとは違い、その後はちゃんと結ばれていました。
度重なるファウルにもカードが出されず、不満の久保は…
マジョルカが攻勢をかける中、特に久保は右サイドのポジションだけではなく、中央や逆サイドにまで顔を出して積極的にチャンスを創出。さらには自身でシュートにまで持っていきました。が、枠に飛ばなかったことに対する自らへの悔しさか、雄叫びをあげる表情がレンズ越しに飛び込んできました。
バレンシアのイエローカードすれすれのファウルが続く中、サイドライン側で完全に相手をかわした久保が、アルデレーテに引き倒されましたが、ここでもカードは出されず。
たまらず抗議した久保に、この試合最初のイエローカードが出されてしまいました。表情や仕草からは、全く納得がいっていないのが伝わるシーンでした。